2007年10月11日更新
<NYから>近隣の小規模農家とギブ&テイク
近隣の小規模農家とギブ&テイク
NYに広がるCSA活動
NYに広がるCSA活動
取材・文/手代木麻生
いまニューヨークでは、農業が注目を浴びている。コミュニティガーデンやグリーンマーケット(青空市場)、近隣農家と契約して農産物を共同購入する(CSA: Community Supported Agriculture)活動も、年々盛んになってきている。
消費者が農家とリスクを分担
アメリカでCSA活動が本格的にはじまったのは1984年。大規模農業の台頭で、次々と小規模農家が消えたり、買収されたりしていくことに危機感を覚えた市民によってはじまり、アメリカ東北部を中心に全米に広がった。もともとは60年代に日本やヨーロッパではじまった、野菜の共同購入がモデルとなっているという。
マンハッタンの高級アパートの1階ロビーを借りて、野菜の受け渡しを行なう
CSAの活動の最大の目的は、天候などによって収入が左右され、大規模農場の脅威にさらされて経営が苦しい小規模農家を支えること。消費者がそのリスクを分担することで小規模農家を支えるかわりに、新鮮でクオリティの高い農作物を手に入れるという、ギブ&テイクの関係を作り上げることだ。
ニューヨークでCSAの第1号が誕生したのは1991年。ここ数年は、オーガニックブームや食の安全性への危機感などから市民の関心が高まって、CSAはその数を増やしてきた。去年1年間だけで10カ所も増え、現在はニューヨーク全体で50のCSAが活動している。
その仕組みだが、CSA活動を支持する地域の消費者グループが近隣農家と契約して、メンバーが決められた金額をその契約農家に前金で払うと、6月から11月まで、毎週決まった日、決まった場所にとれたての野菜が運ばれてくるというもの。野菜の年間の購入価格はCSAによってさまざまだが、1世帯あたり370ドル~525ドル。
決められた割当量の野菜をはかって持ち帰るCSAのメンバー
サステイナブル・アグリカルチャー(継続可能な農業)の観点から、農地で同じ作物を繰り返し作るのは好ましくないので、CSAの契約農家はなるべく多くの種類の野菜を作ることが奨励されている。それもあって、CSAのメンバーはさまざまな野菜を手に入れることができる反面、ほしい野菜をリクエストすることはできない。これまで食べたことがない野菜が配られてきたら、果敢にさまざまな野菜の調理法に挑戦する冒険心と柔軟性が要求される。
また、天候不順で収穫が少ないときには、それを理解して受け入れる懐の深さも必要だ。野菜には旬があり、農産物は自然のめぐみであるという当たり前のことに気づかされる。野菜の価格だが、CSAではオーガニック野菜が、スーパーの普通の野菜(オーガニックではない)なみの価格で買えるという。
オーガニックブームが活動を後押し
CSAと契約すると、農家はシーズンのはじめに前金で払ってもらえるので資金繰りが楽になり、収入も安定する。また、何をどのくらい生産したらいいか計画も立てやすくなり、リスクが減る。CSAのメンバーからはダイレクトにフィードバックがあるので、仕事へのモチベーションも高まるなどのメリットがある。
こんなに真っ赤に熟した新鮮なトマトは、普通のスーパーではお目にかかれない
ニューヨークでは、非営利団体JUST FOODがCSA活動をサポートしている。ある地域住民グループからCSAをはじめたいと申し込みがあると、JUST FOODがそのニーズに合った農家を紹介したり、活動がスムーズにいくようにノウハウを提供したりする。また、定期的にセミナーを実施したり、提携農家のツアーを企画したりするなど、啓蒙活動も行なう。
CSA活動がここ数年増えているのは、小規模農業を支えるという大義名分だけでなく、昨今のオーガニックブームを反映して、新鮮で安全な食物を手に入れたいというニーズが高まっていることも大きい。消費者にとっては、生産者の顔が見えるということが大きな安心につながっている。また、近所付き合いの少ない都会人にとって、「コミュニティ活動」という側面も人気の理由になっており、CSAは健全な地域コミュニティの形成にも寄与しているようだ。
アメリカでCSA活動が本格的にはじまったのは1984年。大規模農業の台頭で、次々と小規模農家が消えたり、買収されたりしていくことに危機感を覚えた市民によってはじまり、アメリカ東北部を中心に全米に広がった。もともとは60年代に日本やヨーロッパではじまった、野菜の共同購入がモデルとなっているという。
マンハッタンの高級アパートの1階ロビーを借りて、野菜の受け渡しを行なうCSAの活動の最大の目的は、天候などによって収入が左右され、大規模農場の脅威にさらされて経営が苦しい小規模農家を支えること。消費者がそのリスクを分担することで小規模農家を支えるかわりに、新鮮でクオリティの高い農作物を手に入れるという、ギブ&テイクの関係を作り上げることだ。
ニューヨークでCSAの第1号が誕生したのは1991年。ここ数年は、オーガニックブームや食の安全性への危機感などから市民の関心が高まって、CSAはその数を増やしてきた。去年1年間だけで10カ所も増え、現在はニューヨーク全体で50のCSAが活動している。
その仕組みだが、CSA活動を支持する地域の消費者グループが近隣農家と契約して、メンバーが決められた金額をその契約農家に前金で払うと、6月から11月まで、毎週決まった日、決まった場所にとれたての野菜が運ばれてくるというもの。野菜の年間の購入価格はCSAによってさまざまだが、1世帯あたり370ドル~525ドル。
決められた割当量の野菜をはかって持ち帰るCSAのメンバーサステイナブル・アグリカルチャー(継続可能な農業)の観点から、農地で同じ作物を繰り返し作るのは好ましくないので、CSAの契約農家はなるべく多くの種類の野菜を作ることが奨励されている。それもあって、CSAのメンバーはさまざまな野菜を手に入れることができる反面、ほしい野菜をリクエストすることはできない。これまで食べたことがない野菜が配られてきたら、果敢にさまざまな野菜の調理法に挑戦する冒険心と柔軟性が要求される。
また、天候不順で収穫が少ないときには、それを理解して受け入れる懐の深さも必要だ。野菜には旬があり、農産物は自然のめぐみであるという当たり前のことに気づかされる。野菜の価格だが、CSAではオーガニック野菜が、スーパーの普通の野菜(オーガニックではない)なみの価格で買えるという。
オーガニックブームが活動を後押し
CSAと契約すると、農家はシーズンのはじめに前金で払ってもらえるので資金繰りが楽になり、収入も安定する。また、何をどのくらい生産したらいいか計画も立てやすくなり、リスクが減る。CSAのメンバーからはダイレクトにフィードバックがあるので、仕事へのモチベーションも高まるなどのメリットがある。
こんなに真っ赤に熟した新鮮なトマトは、普通のスーパーではお目にかかれないニューヨークでは、非営利団体JUST FOODがCSA活動をサポートしている。ある地域住民グループからCSAをはじめたいと申し込みがあると、JUST FOODがそのニーズに合った農家を紹介したり、活動がスムーズにいくようにノウハウを提供したりする。また、定期的にセミナーを実施したり、提携農家のツアーを企画したりするなど、啓蒙活動も行なう。
CSA活動がここ数年増えているのは、小規模農業を支えるという大義名分だけでなく、昨今のオーガニックブームを反映して、新鮮で安全な食物を手に入れたいというニーズが高まっていることも大きい。消費者にとっては、生産者の顔が見えるということが大きな安心につながっている。また、近所付き合いの少ない都会人にとって、「コミュニティ活動」という側面も人気の理由になっており、CSAは健全な地域コミュニティの形成にも寄与しているようだ。



