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2008年07月24日更新

<助成金Q&A>中小企業労働時間適正化促進助成金

中小企業労働時間適正化促進助成金で
長時間労働を改善しよう!


●社会保険労務士 加藤美香
労働基準監督署労働条件相談員、労働時間短縮アドバイザー、就業規則普及指導員等公的業務の経験を生かし、企業への人事労務コンサルティングに力を入れている。

これまで培ってきた経験を活かし、出身地に戻って創業したい――この夢をかなえる制度が「地方再生中小企業創業助成金」。雇用創出効果の高い事業が対象となり、従業員の雇用数によって受給額が違ってくる。Uターン創業を考えている人は検討してみてはいかがだろうか。

長時間労働を改善して従業員の定着をはかりたい――このテーマはいまや時代の要請ともいえるだろう。そのための助成金制度があることをご存知だろうか。「中小企業労働時間適正化促進助成金」である。

当社は創業後3年を経過したサービス業の会社です。業績も向上しており、それにともなって従業員の残業時間が長くなっています。その影響もあり、最近は従業員から不満の声があがり、退職する者もでました。今後は、長時間労働の改善をはかることで就業条件を向上させ、定着をはかっていきたいと考えています。このような取り組みに対して助成してもらえるような制度があれば教えてください。
中小企業労働時間適正化促進助成金をご紹介します。この助成金は、中小企業が、働き方の見直しを通じて、長時間労働の是正に積極的に取り組んだ場合に、その実施した内容に応じて助成を受けられるものです。
1.対象となる事業主の要件

(1)中小企業であること
※この助成金の中小企業の範囲は、次の通りです。
「製造業」「建設業」「運輸業」 「その他の業種」資本金または出資の額が3億円以下、 または従業員数が300人以下
「卸売業」資本金または出資の額が1億円以下、 または従業員数が100人以下
「サービス業」資本金または出資の額が5000万円以下、 または従業員数が100人以下
「小売業」資本金または出資の額が5000万円以下、 または従業員数が50人以下

(2) 特別条項付き時間外労働・休日労働に関する協定(36協定)を締結していること
(3) 定められた一定の事項を盛り込んだ「働き方改革プラン」を作成し、都道府県労働局長の認定を受けていること
(4) 認定を受けた「働き方改革プラン」で計画した措置を完了すること(実施期間1年)


ワンポイント!特別条項付き時間外労働・休日労働に関する協定(36協定)について労働基準法では、労働者を1日につき8時間、1週間につき40時間を超えて労働させることは禁止されています。一方で、「時間外労働・休日労働に関する協定」(36協定)を締結し、労働基準監督署に届ければ、届け出た範囲内で時間外労働・休日労働をさせても労働基準法違反とはなりません。届け出が可能な時間外労働の限度時間は次の通りです。
期間
一般労働者の限度時間※1
変形性労働時間制の限度時間※2
1週間
15時間
14時間
2週間
27時間
25時間
4週間
43時間
40時間
1カ月
45時間
42時間
2カ月
81時間
75時間
3カ月
120時間
110時間
1年間
360時間
320時間

※1一般の労働者の場合 ※2対象期間が3カ月を超える1年単位の変形労働時間制の対象者の場合


しかし、臨時的にこの限度時間を超えて時間外労働を行なわなければならない特別の事情が予想される場合には、特別の事情が生じたときに限ってさらに労働時間を一定時間まで延長できることを協定に定めておきます。これを「特別条項付き時間外労働・休日労働に関する協定」と呼び、これを届け出れば、特別の事情が生じたときに、限度時間を超える時間外労働を行なうことができます。

2.「働き方改革プラン」に盛り込む措置

「働き方改革プラン」には、次の(1)~(3)までのすべての措置を盛り込むことが必要です。

(1)次の(ア)または(イ)の時間外労働削減などの措置
(ア) 特別条項付き時間外労働・休日労働に関する協定の対象労働者を半分以上減少させること

(イ)次のいずれかの方法で、割増賃金率を自主的に引き上げること
・1カ月の限度時間を超える時間外労働に係る割増賃金率を35%以上に引き上げる
・月80時間を超える時間外労働に係る割増賃金率を50%以上に引き上げる

(2)次の(ア)~(ウ)の時間外労働削減などの措置
(ア)年次有給休暇の取得促進
(イ)休日労働の削減
(ウ)ノー残業デー等の設定

(3)次の(ア)省力化投資などの措置または(イ)雇い入れ措置
(ア)業務の省力化のための設備投資などの実施(300万円以上のものに限る)
(イ)新たな常用労働者の雇い入れ

3.受給できる額

助成金は、第1回と第2回に分けて支給されます。
第1回 都道府県労働局長の認定を受けた「働き方改革プラン」に従い、特別条項付き時間外労働・休日労働の協定や就業規則などの整備を行なった場合 50万円
第2回 都道府県労働局長の認定を受けた「働き方改革プラン」に従い、時間外労働削減などの措置および省力化投資などの措置または雇い入れ措置を完了した場合 50万円

ワンポイント! この助成金は、「働き方改革プラン」に盛り込まれた措置を完了した場合に受給できるものです。第1回の支給を受けた事業主が、「働き方改革プラン」を完了しなかった場合には、第1回の支給額の全額を返還しなければなりませんので注意が必要です。


4.受給するための手続き

(1) 「働き方改革プラン」を策定し、都道府県労働局に申請を行ないます。
(2) 都道府県労働局長より「働き方改革プラン」の認定を受けます。
(3) 「働き方改革プラン」の認定後2カ月以内に第1回の支給申請を行ないます。
(4) 第1回の助成金が支給されます。
(5) 「働き方改革プラン」に盛り込んだ措置を実施し、完了します。
(6) 「働き方改革プラン」の終了日(認定日から1年後の日)から1カ月以内に実施状況報告と第2回の支給申請を行ないます。
(7) 第2回の助成金が支給されます。




5.よくある質問

Q.1 「働き方改革プラン」に計画した措置を一部しかできなかった場合は、どのようになるのでしょうか。
A.1 第1回の支給を受けた事業主が、「働き方改革プラン」を完了しなかった場合は、第1回の支給額を全額返還することになります。
   
Q.2 特別条項付き時間外労働・休日労働に関する協定は締結していませんが、申請することはできますか。
A.2 特別条項付き時間外労働・休日労働に関する協定を締結していない場合は、申請することはできません。
   
Q.3 省力化のための設備投資は具体的にはどのような投資でしょうか。
A.3 機械、装置、工具、器具、備品、車両、運搬用具等の投資であり、商品、消費財、原材料等は含みません。
   
Q.4 この助成金の支給要件を満たせば必ずもらえるのですか。
A.4 国の予算の範囲内で支給されるため、要件を満たしても支給されない場合があります。




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