2008年07月24日更新
<教育業界>サントリーの水育
利益三分主義に基づく
サントリーの水育
サントリーの水育
地球環境がテーマとなった洞爺湖サミットが開催され、企業がいかに地球と人類の調和的存続が可能な環境をまもるために貢献していくかが問われる時代を迎えている。清麗な水をベースにした飲料製造を通じて、世界的なブランドをものしたサントリー株式会社は、「水育」(みずいく)を提唱し、ウェブサイトやイベントでの情報提供や小学校への出張授業に取り組み、次世代を担う子どもたちに水を通して生活と環境を見つめてもらおうとしている。
子どもたちに“水”をテーマにした体験型学習の機会を提供
日本における洋酒製造の草分けであり、現在、多種類のミネラルウォーター商品をリリースしているSUNTORYは、2006年より小学校高学年(4~6年)を対象にした「水育」出張授業と日帰り・宿泊プログラムによる体験学習イベントの提供に取り組んでいる。2007年度末までに、「水育」出張授業は93校もの小学校で実施され、7000人以上の児童が学んでいる。
また、水源涵養林などを持ち、豊かな自然条件に恵まれた同社工場敷地や周辺施設を用いた「森と水の学校」などの「水育」イベントにも、7000人前後の親子が参加したという。
これらは、いずれも参加交通費や宿泊費などの実費以外は、基本にSUNTORYが経費を負担し、事実上、参加者に対して無償で体験型学習を提供する内容になっている。SUNTORYは、いかなる考えからこのような取り組みを始めたのだろうか。SUNTORY CSR・コミュニケーション本部環境部課長の川井惠美子さんに尋ねると、次のような答えがかえってきた。
「弊社は、利益三分主義(事業利益を三等分し、それぞれ再投資、消費者と社員への還元、社会への貢献にあてるとの原則)を伝統的な企業理念としてまいりました。それを具体化するうえで、いま何をすべきか考え、未来を託す次世代にはたらきかけることが大事だということになり、『水育』に取り組むことになりました。2004年に<キッズ・ドリームプロジェクト>を始動させ、現在その具体化として出張授業とイベントの提供を行なってきたのです」
SUNTORY独自の教材とユニークな実験と発表で
“水” を学ぶ出張授業
出張授業は、SUNTORYが首都圏、京阪神、熊本県、山梨県、鳥取県で取り組む小学校での90分(45分授業フタこま)学習プログラムだ。授業で先生役をつとめるのは、工場見学の案内や説明を担当するスタッフたち。きちんと、授業が楽しくできるように研修を重ね、子どもたちが楽しみながら水を通じて様々なことを認識していけるプログラムを進めることができるような力量が培われている。
授業では、事前課題の発表や水の飲みくらべ、楽しいゲームを通じた"水"学習が展開される。例えば、こんなことから授業に導入していく。
事前課題で子どもたちは、配布された「水育シート」を使って1日で自分がどれだけの水を生活で使ったか、詳細に記録をつけてもらい、授業の冒頭で発表してもらう。そこでは、水洗トイレ使用が多量の水利用になっていることなど、水と自分の生活との密接なつながりをしっかり認識してもらう。
さらに地球儀型風船のキャッチボールなどを通じて地球に存在する水のほとんどが海水であり、実際に利用できる水は0.2%程度にすぎないことを知るとともに、ペットボトルを活用して森林地帯におけるろ過モデルを作り、森林地帯がきれいな水を生み出し、保水力を発揮していることも学ぶ。さらにさまざまな硬度のミネラルウォーターを飲みくらべてもらい、その味の違いの原因を話し合いながら学ぶことで、水はそれぞれの土地の特質によって性質が異なってくることなどを体験的に学習していく。
SUNTORYが作成した「水育シート」「水育ノート」などの独自教材を使い、体感も含めて水と地球環境との深いかかわりを考えていく内容なのだ。こうした学習活動のベースである水の人間生活における位置付けなどの考察は、水を事業で扱うメーカーでもSUNTORYだけが運営しているという水科学研究所が研究を通じてまとめあげた理論がベースになっている。
「水育」出張授業はたいへん好評で、実施された小学校では「授業の中で子どもが惹きつけられ、心が躍動していることを実感できた」と喜びの声があがっており、リピート要請も出ているという。
工場の地の利を生かし
宿泊・日帰りでの多彩な体験学習を提供する「水育」イベント
SUNTORYは、自然豊かな水源涵養林を持つ広大な敷地に製品工場を設置している。「森と水の学校」イベントは、山梨県白州、熊本県阿蘇、岡山県奥大山に所在する同社工場の素晴らしい自然環境のなかで、親子あるいは子どもたちの集団に水遊びや工場見学、それぞれの地方ならではの特色ある食や体験学習をしてもらうものだ。
このイベントは、社員がボランティア参加して子どもたちの学習をサポートする他、地元住民や行政の支援も受け、協力を得て行なわれている。このイベントでは、自然のなかで子どもたちが生き生きと水との関わりを野外活動を楽しみながら学ぶことができる。
また、子どもたちと共に体験学習イベントに参加した社員たちも、水に対する認識を新たにしているという。川井課長が話す。
「ふだん営業をしたり、会社運営業務をしている社員がイベントにボランティア参加することにより、親子のみなさんと自分たちの製品を生み出すベースとなっている水の源泉を学び、社会のなかにおける自社事業の重要性を再認識する場にもなっています」
SUNTORYは、本社ビル(東京都港区台場)においても、「サントリー『水育』親子わくわく体験教室を年に数回開催し、参加者親子を喜ばせている。また、「サントリーキッズ こども『水育』わくわく大百科」と題した「水育」ホームページも運営し、子どもたちへの情報提供と学習への誘いをしている。サイトをのぞくと、情報満載で、子どもたちの学習意欲をそそり、夏休みの自由課題の材料の宝庫であるといえる。
水はすべての生命活動の源だ。長い歴史の中で水と深く関わりあってきた製造企業SUNTORYの取り組みは、企業が地球環境保全と次世代育成に貢献していくあり方の典型を示すものだろう。
[問い合わせ先]
サントリー〈キッズ・ドリームプロジェクト〉事務局
電話:03-3350-5681(土日祝日を除く 平日9:30~17:00)
http://suntory.jp/KIDS/
日本における洋酒製造の草分けであり、現在、多種類のミネラルウォーター商品をリリースしているSUNTORYは、2006年より小学校高学年(4~6年)を対象にした「水育」出張授業と日帰り・宿泊プログラムによる体験学習イベントの提供に取り組んでいる。2007年度末までに、「水育」出張授業は93校もの小学校で実施され、7000人以上の児童が学んでいる。また、水源涵養林などを持ち、豊かな自然条件に恵まれた同社工場敷地や周辺施設を用いた「森と水の学校」などの「水育」イベントにも、7000人前後の親子が参加したという。
これらは、いずれも参加交通費や宿泊費などの実費以外は、基本にSUNTORYが経費を負担し、事実上、参加者に対して無償で体験型学習を提供する内容になっている。SUNTORYは、いかなる考えからこのような取り組みを始めたのだろうか。SUNTORY CSR・コミュニケーション本部環境部課長の川井惠美子さんに尋ねると、次のような答えがかえってきた。
「弊社は、利益三分主義(事業利益を三等分し、それぞれ再投資、消費者と社員への還元、社会への貢献にあてるとの原則)を伝統的な企業理念としてまいりました。それを具体化するうえで、いま何をすべきか考え、未来を託す次世代にはたらきかけることが大事だということになり、『水育』に取り組むことになりました。2004年に<キッズ・ドリームプロジェクト>を始動させ、現在その具体化として出張授業とイベントの提供を行なってきたのです」
SUNTORY独自の教材とユニークな実験と発表で
“水” を学ぶ出張授業
出張授業は、SUNTORYが首都圏、京阪神、熊本県、山梨県、鳥取県で取り組む小学校での90分(45分授業フタこま)学習プログラムだ。授業で先生役をつとめるのは、工場見学の案内や説明を担当するスタッフたち。きちんと、授業が楽しくできるように研修を重ね、子どもたちが楽しみながら水を通じて様々なことを認識していけるプログラムを進めることができるような力量が培われている。授業では、事前課題の発表や水の飲みくらべ、楽しいゲームを通じた"水"学習が展開される。例えば、こんなことから授業に導入していく。
事前課題で子どもたちは、配布された「水育シート」を使って1日で自分がどれだけの水を生活で使ったか、詳細に記録をつけてもらい、授業の冒頭で発表してもらう。そこでは、水洗トイレ使用が多量の水利用になっていることなど、水と自分の生活との密接なつながりをしっかり認識してもらう。
さらに地球儀型風船のキャッチボールなどを通じて地球に存在する水のほとんどが海水であり、実際に利用できる水は0.2%程度にすぎないことを知るとともに、ペットボトルを活用して森林地帯におけるろ過モデルを作り、森林地帯がきれいな水を生み出し、保水力を発揮していることも学ぶ。さらにさまざまな硬度のミネラルウォーターを飲みくらべてもらい、その味の違いの原因を話し合いながら学ぶことで、水はそれぞれの土地の特質によって性質が異なってくることなどを体験的に学習していく。
SUNTORYが作成した「水育シート」「水育ノート」などの独自教材を使い、体感も含めて水と地球環境との深いかかわりを考えていく内容なのだ。こうした学習活動のベースである水の人間生活における位置付けなどの考察は、水を事業で扱うメーカーでもSUNTORYだけが運営しているという水科学研究所が研究を通じてまとめあげた理論がベースになっている。
「水育」出張授業はたいへん好評で、実施された小学校では「授業の中で子どもが惹きつけられ、心が躍動していることを実感できた」と喜びの声があがっており、リピート要請も出ているという。
工場の地の利を生かし
宿泊・日帰りでの多彩な体験学習を提供する「水育」イベント
SUNTORYは、自然豊かな水源涵養林を持つ広大な敷地に製品工場を設置している。「森と水の学校」イベントは、山梨県白州、熊本県阿蘇、岡山県奥大山に所在する同社工場の素晴らしい自然環境のなかで、親子あるいは子どもたちの集団に水遊びや工場見学、それぞれの地方ならではの特色ある食や体験学習をしてもらうものだ。このイベントは、社員がボランティア参加して子どもたちの学習をサポートする他、地元住民や行政の支援も受け、協力を得て行なわれている。このイベントでは、自然のなかで子どもたちが生き生きと水との関わりを野外活動を楽しみながら学ぶことができる。
また、子どもたちと共に体験学習イベントに参加した社員たちも、水に対する認識を新たにしているという。川井課長が話す。
「ふだん営業をしたり、会社運営業務をしている社員がイベントにボランティア参加することにより、親子のみなさんと自分たちの製品を生み出すベースとなっている水の源泉を学び、社会のなかにおける自社事業の重要性を再認識する場にもなっています」
SUNTORYは、本社ビル(東京都港区台場)においても、「サントリー『水育』親子わくわく体験教室を年に数回開催し、参加者親子を喜ばせている。また、「サントリーキッズ こども『水育』わくわく大百科」と題した「水育」ホームページも運営し、子どもたちへの情報提供と学習への誘いをしている。サイトをのぞくと、情報満載で、子どもたちの学習意欲をそそり、夏休みの自由課題の材料の宝庫であるといえる。
水はすべての生命活動の源だ。長い歴史の中で水と深く関わりあってきた製造企業SUNTORYの取り組みは、企業が地球環境保全と次世代育成に貢献していくあり方の典型を示すものだろう。
[問い合わせ先]
サントリー〈キッズ・ドリームプロジェクト〉事務局
電話:03-3350-5681(土日祝日を除く 平日9:30~17:00)
http://suntory.jp/KIDS/
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