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2008年06月19日更新

<5月号特集>中小企業だからこそ武器になる/前編

インターネット販売は多額の費用をかけずに全国に向けて商品・サービスを売り込むことができる。しかも、大手企業には手の出せない、すき間産業的な商品でも売れる市場になっている。中小企業だからこそ、ネット販売を活用して事業の裾野を広げるべきだ。

自社の強みの再確認と情報感度の向上が重要

インターネット販売(以下、ネット販売)の市場が急成長している。富士通総研(東京港区)によると、「2006年度は日本の流通総額230兆円のうち、約4.4%がネットを通じた取り引きであると試算されています。これからも、急速に伸びることが確実視されている市場です」(上級研究員・湯川抗(こう)氏)という。一方、消費者側にもネット販売はすっかり浸透しているようだ。

『06年度インターネット白書』(インプレスコミュニケーションズ刊)では、ネット利用者の実に約9割が、ネットショッピングの経験者であるという。




この急拡大する市場は、特に中堅・中小企業にとって見逃せない。ネット販売は、大手企業が積極的に取り組むことが少ないニッチ(すき間)商品や珍しい地域産品などが、全国区のヒット商品へと発展する可能性を秘めているからだ。

同総研の主任研究員・浜屋敏氏が言う。「最近、こんな例があります。高齢化社会昭和30年代ブームなどで、中高年層の間に、子供の頃に飲んでいた懐かしいサイダーをもう一度飲みたい、というニーズが高まりました。地ビールならぬ、地サイダーの人気が高まったのです。珍しい地域産品が、ネットを通じたクチコミなどで徐々に評判が広まり、静かなブームになりました」この地サイダーの復活劇には、ネット販売の大きな特徴が表れている。
多くの人に売れるわけではないニッチ商品でも、時間をかけてじっくりと売れ続けることにより、結果として大きな売り上げにつながるというネット販売特有の現象だ。

「愛好家がいて需要は確かにあっても、いつ売れるか分からない商品の在庫を常に抱えていることは、コストを考えれば得策ではありません。その点、ネット販売では余分な在庫を持たずに販売できるうえ、ほとんどコストをかけずにネット上のクチコミを利用した宣伝活動もできます。大手が狙うことができない市場を開拓できるわけです」(浜屋氏)ネット販売の展開にあたって、見逃せないのがキーワードの入力で関連情報を閲覧できる検索エンジンの進化だ。大きな変化は「検索連動型広告」の浸透。消費者がパソコン上の検索画面に欲しい商品のキーワードを打ち込むと、各種情報とともに関連広告が瞬時に掲載される。「検索エンジンの進化により、ネットショップを見る側、すなわち消費者の使い勝手が飛躍的に高まりました」と湯川氏が指摘する。

また浜屋氏も「ニッチ商品を扱う企業のホームページを簡単に検索できます」と言う。数年前からネット販売を展開している中小企業のなかには、月商で億単位の売り上げを計上している成功事例も多数ある。「インターネットは、よく分からない」とか「ネット販売を始めたいが、人手が足りないから見送っている」といった経営者も、もはや横目で眺めてはいられない時代だ。







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