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2007年09月27日更新

<食>瓶詰専門店を多店舗化

●株式会社セルフィユ

「朝の果物は金」という。朝の果物は、早くエネルギーになる糖分に繊維質もとれ、いいことづくし。わかってはいるが、平均所要時間12分(生活者情報マーケティングデータより)が朝食の現実。
そんなとき、見目麗しく、旬の果実感そのまま。こんなジャムがあれば、憂鬱な朝も少しは楽しくなるかもしれない。
起業のきっかけは、
「自分が作った商品に最後まで責任をもちたい」


お店には、きれいな瓶が整然と並んでいる。食料品店というよりは、おしゃれなブティックといった佇まいの瓶詰専門店セルフィユ。

「ボクも挑戦者。社員のみんなには、それぞれがチャレンジできるステージを用意していきたいと思っています」と長澤社長





セルフィユは、千葉県出身の長澤宏治社長が、長野に移り住んでから作った会社である。
大学卒業後、いったんは首都圏で一般企業に就職した長澤社長は、「もっと夢をみたい、ゼロからなにかを作りたいという思いが押さえきれなくなり、半年で会社を辞め、長野に引っ越した」という。

引っ越し先に長野・軽井沢を選んだのは、オリンピック前でまだ静かだったから。何もなさそうな場所に行きたかった。長野では小さな食品関連会社を2つ経験した。そこでは、ゼロからの商品開発・店舗開発に携わり、充実感はあったのだが、仮にその商品や店舗がまったく売れなくても、自分自身に直接的な痛みはない。そんな無責任な立場がイヤで、自分も資本参加し、最後まで責任をとる立場で仕事をしたいと起業を思い立った。

都会の人にリゾートの風を感じてほしい

「社長はやっぱり、毎朝トーストにジャムですか」と聞かれることも多いが、長澤社長は、朝食ご飯派。ジャム好きが高じて、この商売を始めたわけではない。
おいしい物をそのまま封じこめ、開けないかぎりは長期保存できる。前職で気になっていた廃棄が少ないこと、見た目にきれいで飾っておけることも瓶詰の魅力だった。
瓶詰を通じて、都会の人にリゾートの心地よい風を感じてほしいというところからセルフィユがはじまる。

低糖度とは、通常40~55%をいうが、セルフィユの「デザートジャム」は、糖度35度。食べてみるとフルーツをそのまま食べているような食感と味を楽しめる


しかし、起業直前に予定外のトラブルがあった。都心に出すはずだった1号店は、軽井沢で出すことになった。急ごしらえの1号店は、恵まれない立地だったし、什器も近所のホームセンターで買い集め、自分で組み立てたものだった。何より「都会の人にリゾートの風を」というコンセプトなのに、リゾート地ではじめることになってしまった。

「軌道に乗るまでのことを思い返すと、絶望している時間が長かったように思います」と長澤社長はいう。しかし、4月にオープンして直後に、たまたま軽井沢に取材に来ていた女性誌編集者の目にとまった。オープンから3カ月後には「VERY」に掲載された。その後、特にオープンからの1年間は、今も続いている貴重な出会いがたくさん続いた。

お客様にも思い入れをもって買っていただきたい

セルフィユの商品は、ネットでも販売しているが、その売上割合は約3%と低い。これを長澤社長は、「通販の売上が高くなるのは心配」だから、無理に伸ばそうとは思わないという。

店舗のタイプは、大きくは2つ。
こちらは2坪~の瓶詰専門店業態「Cerfeuil軽井沢 上野松坂屋店」




「ぼくらの商品はわかりづらいので、店舗まで足を運んで、スタッフと話をしながら、買っていただきたいんです。通販商品であれば、商品自体に詳しい説明書きが必要ですが、ぼくらはあえてそれをつけていません。
来店したお客様が、『これなんだろ』と興味をもって商品を手にとられる。そこに、スタッフが歩み寄り、説明をする。『へぇそうなんだ』と感心して、気に入ったら買ってもらう。

商品に説明が書いてあれば、贈り物にするときも『ここに書いてあるから、読んでおいて』となるかもしれない。ぼくらの商品は、『こんなお店があって、こんなこだわりがあるんだって。こうして食べるとおいしいらしいよ』と口から口へと伝えていってほしい。

ぼくらは、スーパーで並んでいる、大手メーカーさんと同じゴンドラに乗る商品は作りたくないんです。パン屋さんやスーパーから、卸してもらえないかと要望をいただくこともありますが、『うちの瓶詰たちは売れないですよ』と断わっています。『思い入れがなければ売れない商品です』と断言しています。

材料や製法にこだわっているので、大量生産はできません。必要な人にだけ買ってほしい。いまの時代にそぐわないアナログ会社なんです」

店舗は財産、次につながる架け橋になる

11月には表参道に大型店を出す予定。高そうな立地での出店が多いが、「出店はこちらから打診することはほとんどありません。打診いただいた案件のなかで検討しています」という。

こちらは大型で瓶詰以外の食品、雑貨も並ぶ業態「グロッサリーコートCerfeuil. 横浜店」




「出店を決める要素は、ここで店を出したらやりたいことができるかどうかです。 本来は、経営数値を見て判断するところですが、感覚で決めています。この場所なら、こういう店にして、ここにはこれをおいて、とイメージしておもしろいことができそうなら決めます。自分自身が愉しめなければ、お客様に愉しんでいただくことはできませんから。

これまでに12店舗出店していますが、撤退したことはありません。店舗を出すのは簡単ですが、やめるのは勇気がいります。いまのところ勇気がなくてやめられないというのも本音ですが、店舗展開は、積み上げていくものだと考えているというのも本音です。

店舗単体でみるとマイナスの店もありますが、まだまだやり尽くしていないよな、と自分に言い聞かせ、撤退は考えないようにしています。この店があったからあの話が来た。ここは赤だけど、ここから紹介をもらったあそこでは利益が出ている。と考えていくと、どの店もやめられません。『出て行ってくれ』といわれるまでは、店舗に再来店してくれるお客様を落胆させないように続けていたいと思っています」

秋には神戸でモスフードとコラボレートしたカフェをオープンすることになっている。ここでは、セルフィユの瓶詰にあう紅茶や食べ方や空間をを提案していきたい。セルフィユの商品は、瓶詰では終わらない。「心地よい暮らし方」を提案することがセルフィユのミッションである。


●会社概要
商 号 株式会社セルフィユ
設 立 平成14年2月5日
URL http://www.cerfeuil.jp/
資本金 2200万円
本 社 長野県小諸市加増2-5-27
統括部・商品センター
長野県小諸市松井4476 TEL:0267-25-8188  FAX:0267-25-8190
事業内容
自社ブランド商品の製造・開発・販売 生活雑貨・キッチン小物の販売
相手先ブランド商品の企画新規事業計画の立案


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