2008年05月01日更新
<税務Q&A>保険料の取り扱い
保険料の取り扱いはどうなっているのか
●渡辺ゆかり(わたなべ ゆかり) :
渡辺会計事務所所長。おもな著書に、「会社の数字早わかり」「連結決算を90分でおさらいする本」(いずれも共著、三笠書房・知的生きかた文庫シリーズ)がある。
URL:http://homepage2.nifty.com/ywatanabe/
会社を設立して3年経過しました。最近、保険会社から法人契約の生命保険の加入を勧められています。法人で保険に加入し、経費にすることは可能でしょうか。保険会社の営業担当者は、保険の種類によって取り扱いが異なるようなことを言っていましたが、どのような取り扱いがあるのでしょうか。
最近の保険商品はいろいろな種類があり、内容も経理処理も複雑になっています。保険会社により内容や商品名が異なりますが、代表的な保険についてご説明します。
●渡辺ゆかり(わたなべ ゆかり) :
渡辺会計事務所所長。おもな著書に、「会社の数字早わかり」「連結決算を90分でおさらいする本」(いずれも共著、三笠書房・知的生きかた文庫シリーズ)がある。
URL:http://homepage2.nifty.com/ywatanabe/
会社を設立して3年経過しました。最近、保険会社から法人契約の生命保険の加入を勧められています。法人で保険に加入し、経費にすることは可能でしょうか。保険会社の営業担当者は、保険の種類によって取り扱いが異なるようなことを言っていましたが、どのような取り扱いがあるのでしょうか。
最近の保険商品はいろいろな種類があり、内容も経理処理も複雑になっています。保険会社により内容や商品名が異なりますが、代表的な保険についてご説明します。1.養老保険
養老保険とは、満期または被保険者の死亡によって保険金が支払われる生命保険です。 法人が契約者となり、役員または使用人を被保険者とする養老保険に加入して支払った保険料は、保険金の受取人に応じて次のとおり取り扱われます。
(1) 死亡保険金および生存保険金の受取人が法人の場合
その支払った保険料の額は、保険事故の発生または保険契約の解除、もしくは失効によりその保険契約が終了する時まで損金の額に算入されず、資産に計上する必要があります。
(2)死亡保険金および生存保険金の受取人が被保険者またはその遺族の場合
その支払った保険料の額は、被保険者である役員または使用人に対する給与となります。 なお、給与とされた保険料は、その役員または使用人の生命保険料控除の対象となります。
(3)死亡保険金の受取人が被保険者の遺族で、生存保険金の受取人が法人の場合
その支払った保険料の額のうち、その2分の1に相当する金額は(1)により資産に計上し、残額は期間の経過に応じて損金の額に算入します。
ただし、役員または部課長その他特定の使用人のみを被保険者としている場合には、その残額はそれぞれ役員または使用人に対する給与になります(給与とされた保険料の取り扱いについては上記(2)と同様となります)。
○上記(1)(2)(3)の保険契約に傷害特約などの特約がある場合は、その特約部分の保険料の額を期間の経過に応じて損金の額に算入することができます。
ただし、役員または部課長その他特定の使用人のみを傷害特約等に係る給付金の受取人としている場合には、その特約部分の保険料の額は、その役員または使用人に対する給与となります。
○役員に対する給与とされる保険料の額で法人が経常的に負担するものは、定期同額給与となります。
2.定期保険
定期付養老保険とは、養老保険を主契約とし、定期保険を特約として付加したものをいいます。
法人が契約者となり、役員または使用人を被保険者とする定期付養老保険に加入して支払った保険料は、次のとおり取り扱われます。
(1)保険料が生命保険証券などにおいて定期保険の保険料と養老保険の保険料とに区分されている場合
A 定期保険の保険料について
イ 死亡保険金の受取人が法人の場合
その支払った保険料の額は期間の経過に応じて損金の額に算入します。
ロ 死亡保険金の受取人が被保険者の遺族である場合
その支払った保険料の額は期間の経過に応じて損金の額に算入します。
ただし、役員または部課長その他特定の使用人のみを被保険者としている場合には、その保険料の額はその役員または使用人に対する給与となります。
B 養老保険の保険料について
イ 死亡保険金および生存保険金の受取人が法人の場合
その支払った保険料の額は、損金の額に算入されず資産に計上します。
ロ 死亡保険金および生存保険金の受取人が被保険者またはその遺族の場合
その支払った保険料の額は、被保険者に対する給与となります。
ハ 死亡保険金の受取人が被保険者の遺族で生存保険金の受取人が法人の場合
その支払った保険料の額の2分の1はBイにより資産に計上し、残額は期間の経過に応じて損金の額に算入します。
ただし、役員または部課長その他特定の使用人のみを被保険者としている場合には、その残額はその役員または使用人に対する給与となります。
(2)保険料が定期保険の保険料と養老保険の保険料とに区分されていない場合
支払った保険料の全額を養老保険の保険料とみなして、養老保険の保険料Bのイからロにより取り扱います。
(3)傷害特約などの保険料
傷害特約などの特約を付した定期付養老保険などの保険料については、その支払った特約部分の保険料の額を期間の経過に応じて損金の額に算入することができます。
ただし、役員または部課長その他特定の使用人のみを傷害特約等に係る給付金の受取人としている場合には、その特約部分の保険料の額は、その役員または使用人に対する給与となります。
○給与とされた保険料は、その役員または使用人の生命保険料控除の対象となります。
○役員に対する給与とされる保険料の額は、定期同額給与となります。
養老保険・定期保険・定期付養老保険は上記の取り扱いですが、非常に複雑化した保険契約で、最近問題になっていた、長期平準定期保険のうち、逓増定期保険の取り扱いについてご説明します。
4.逓増定期保険
国税庁は、「法人が支払う長期平準定期保険等の保険料の取り扱いについて」のうち、逓増定期保険(保険期間中に保険 金額が逓増する定期保険をいいます)について、金利水準をはじめとする金融環境の変化や保険会社各社の商品設計の多様化等により、逓増定期保険の保険料に含まれる前払い保険料の割合等にも変化が見られることから、その実態に応じた取り扱いにするための見直しを進めていました。
<改正の概要>
昨今の逓増定期保険については、その損金性や課税の繰り延べ効果が強調されているものや、また、従来型のものとは異なり、保険期間中の保険金額の低い前半部分と高い後半部分の2つの定期保険の組み合わせと見ることもできるものなど、商品設計の多様化等が進んでいます。
今回の改正は、このように現行の取り扱いが取り引き実態と乖離している状況にあると認められたことから、現状の商品の実態を踏まえた取り扱いにすべく、保険期間中に保険金額が逓増する定期保険の支払保険料の損金算入時期等について、適正化を図ったものとされています。
(1)対象とする逓増定期保険の範囲
この通達に定める取り扱いの対象とする逓増定期保険の範囲について、「保険期間の経過により保険金額が5倍までの範囲で増加する定期保険のうち、その保険期間満了の時における被保険者の年齢が45歳を超えるものをいう」に改正されました。
(注)「改正前」の規定
「保険期間の経過により保険金額が5倍までの範囲で増加する定期保険のうち、その保険期間満了の時における被保険者の年齢が60歳を超え、かつ、当該保険に加入した時における被保険者の年齢に保険期間の2倍に相当する数を加えた数が90を超えるものをいう」
(2)逓増定期保険に係る保険料の損金算入時期
逓増定期保険に係る前払い期間、資産計上額等の表が下の表のように改正されました。
(3)逓増定期保険に係る改正通達の適用時期(経過的取り扱い)
この法令解釈通達による改正後の取り扱いは、平成20年2月28日以後の契約に係る逓増定期保険の保険料について適用されます。
また、同日前の契約に係る逓増定期保険の保険料については、なお従前の例によることとなります。
〔前払期間、資産計上額等の表〕
このように保険の税務は非常に複雑になっています。契約をする際には税金の取り扱いがどのようになっているのか、よく確認してください。
養老保険とは、満期または被保険者の死亡によって保険金が支払われる生命保険です。 法人が契約者となり、役員または使用人を被保険者とする養老保険に加入して支払った保険料は、保険金の受取人に応じて次のとおり取り扱われます。
(1) 死亡保険金および生存保険金の受取人が法人の場合
その支払った保険料の額は、保険事故の発生または保険契約の解除、もしくは失効によりその保険契約が終了する時まで損金の額に算入されず、資産に計上する必要があります。
(2)死亡保険金および生存保険金の受取人が被保険者またはその遺族の場合
その支払った保険料の額は、被保険者である役員または使用人に対する給与となります。 なお、給与とされた保険料は、その役員または使用人の生命保険料控除の対象となります。
(3)死亡保険金の受取人が被保険者の遺族で、生存保険金の受取人が法人の場合
その支払った保険料の額のうち、その2分の1に相当する金額は(1)により資産に計上し、残額は期間の経過に応じて損金の額に算入します。
ただし、役員または部課長その他特定の使用人のみを被保険者としている場合には、その残額はそれぞれ役員または使用人に対する給与になります(給与とされた保険料の取り扱いについては上記(2)と同様となります)。
○上記(1)(2)(3)の保険契約に傷害特約などの特約がある場合は、その特約部分の保険料の額を期間の経過に応じて損金の額に算入することができます。
ただし、役員または部課長その他特定の使用人のみを傷害特約等に係る給付金の受取人としている場合には、その特約部分の保険料の額は、その役員または使用人に対する給与となります。
○役員に対する給与とされる保険料の額で法人が経常的に負担するものは、定期同額給与となります。
2.定期保険
定期付養老保険とは、養老保険を主契約とし、定期保険を特約として付加したものをいいます。
法人が契約者となり、役員または使用人を被保険者とする定期付養老保険に加入して支払った保険料は、次のとおり取り扱われます。
(1)保険料が生命保険証券などにおいて定期保険の保険料と養老保険の保険料とに区分されている場合
A 定期保険の保険料について
イ 死亡保険金の受取人が法人の場合
その支払った保険料の額は期間の経過に応じて損金の額に算入します。
ロ 死亡保険金の受取人が被保険者の遺族である場合
その支払った保険料の額は期間の経過に応じて損金の額に算入します。
ただし、役員または部課長その他特定の使用人のみを被保険者としている場合には、その保険料の額はその役員または使用人に対する給与となります。
B 養老保険の保険料について
イ 死亡保険金および生存保険金の受取人が法人の場合
その支払った保険料の額は、損金の額に算入されず資産に計上します。
ロ 死亡保険金および生存保険金の受取人が被保険者またはその遺族の場合
その支払った保険料の額は、被保険者に対する給与となります。
ハ 死亡保険金の受取人が被保険者の遺族で生存保険金の受取人が法人の場合
その支払った保険料の額の2分の1はBイにより資産に計上し、残額は期間の経過に応じて損金の額に算入します。
ただし、役員または部課長その他特定の使用人のみを被保険者としている場合には、その残額はその役員または使用人に対する給与となります。
(2)保険料が定期保険の保険料と養老保険の保険料とに区分されていない場合
支払った保険料の全額を養老保険の保険料とみなして、養老保険の保険料Bのイからロにより取り扱います。
(3)傷害特約などの保険料
傷害特約などの特約を付した定期付養老保険などの保険料については、その支払った特約部分の保険料の額を期間の経過に応じて損金の額に算入することができます。
ただし、役員または部課長その他特定の使用人のみを傷害特約等に係る給付金の受取人としている場合には、その特約部分の保険料の額は、その役員または使用人に対する給与となります。
○給与とされた保険料は、その役員または使用人の生命保険料控除の対象となります。
○役員に対する給与とされる保険料の額は、定期同額給与となります。
養老保険・定期保険・定期付養老保険は上記の取り扱いですが、非常に複雑化した保険契約で、最近問題になっていた、長期平準定期保険のうち、逓増定期保険の取り扱いについてご説明します。
4.逓増定期保険
国税庁は、「法人が支払う長期平準定期保険等の保険料の取り扱いについて」のうち、逓増定期保険(保険期間中に保険 金額が逓増する定期保険をいいます)について、金利水準をはじめとする金融環境の変化や保険会社各社の商品設計の多様化等により、逓増定期保険の保険料に含まれる前払い保険料の割合等にも変化が見られることから、その実態に応じた取り扱いにするための見直しを進めていました。
<改正の概要>
昨今の逓増定期保険については、その損金性や課税の繰り延べ効果が強調されているものや、また、従来型のものとは異なり、保険期間中の保険金額の低い前半部分と高い後半部分の2つの定期保険の組み合わせと見ることもできるものなど、商品設計の多様化等が進んでいます。
今回の改正は、このように現行の取り扱いが取り引き実態と乖離している状況にあると認められたことから、現状の商品の実態を踏まえた取り扱いにすべく、保険期間中に保険金額が逓増する定期保険の支払保険料の損金算入時期等について、適正化を図ったものとされています。
(1)対象とする逓増定期保険の範囲
この通達に定める取り扱いの対象とする逓増定期保険の範囲について、「保険期間の経過により保険金額が5倍までの範囲で増加する定期保険のうち、その保険期間満了の時における被保険者の年齢が45歳を超えるものをいう」に改正されました。
(注)「改正前」の規定
「保険期間の経過により保険金額が5倍までの範囲で増加する定期保険のうち、その保険期間満了の時における被保険者の年齢が60歳を超え、かつ、当該保険に加入した時における被保険者の年齢に保険期間の2倍に相当する数を加えた数が90を超えるものをいう」
(2)逓増定期保険に係る保険料の損金算入時期
逓増定期保険に係る前払い期間、資産計上額等の表が下の表のように改正されました。
(3)逓増定期保険に係る改正通達の適用時期(経過的取り扱い)
この法令解釈通達による改正後の取り扱いは、平成20年2月28日以後の契約に係る逓増定期保険の保険料について適用されます。
また、同日前の契約に係る逓増定期保険の保険料については、なお従前の例によることとなります。
〔前払期間、資産計上額等の表〕
区分 | 前払期間 | 資産計上額 | |
|---|---|---|---|
逓 増 定 期 保 険 |
A 保険期間満了の時における被保険者の年齢が45歳を超えるもの(BまたはCに該当するものを除く) | 保険期間の開始の時から当該保険期間の60%に相当する期間 | 支払保険料の2分の1に相当する金額 |
| B 保険期間満了の時における被保険者の年齢が70歳を超え、かつ、当該保険に加入した時における被保険者の年齢に保険期間の2倍に相当する数を加えた数が95を超えるもの(Cに該当するものを除く) | 同 上 | 支払保険料の3分の2に相当する金額 | |
| C 保険期間満了の時における被保険者の年齢が80歳を超え、かつ、当該保険に加入した時における被保険者の年齢に保険期間の2倍に相当する数を加えた数が120を超えるもの | 同 上 | 支払保険料の4分の3に相当する金額 |
このように保険の税務は非常に複雑になっています。契約をする際には税金の取り扱いがどのようになっているのか、よく確認してください。
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