2008年04月10日更新
<3月号特集>顧客を感動させる1
新河 福岡県筑紫野市
スタッフのきめ細かな気遣いに
心を打たれた顧客が常連となる

大きな声で「いらっしゃいませ~」と客を元気づけてくれる新河のスタッフ。
スタッフのきめ細かな気遣いに
心を打たれた顧客が常連となる

「現場で働くスタッフが職場に満足しなければ、顧客に満足や感動を与えることはできない」新河(しんが)(福岡県筑紫野市)の比地(ひじ)利之社長が断言する。同社では社長以下スタッフ全員が目標や夢を語り合い互いを励まし合う職場環境を生み出すことで各社員が活気づき、顧客から厚い支持を得ている。
明るく親切な対応が来店客を元気づける
「いらっしゃいませー」。客が入店するたびに、スタッフ全員の挨拶が店内に大きく響き渡る。店の中では、スタッフがカウンターを挟んで明るく応対してくれる。まいどおおきに食堂川久保店は、昼夜を問わず車が行き交う幹線道路から奥まった道に面していながら、昼食時ともなれば駐車場に車があふれ、入口は入店待ちの客が列を成すほどにぎわう。
「まいどおおきに食堂」は、棚の上に並べられた料理のなかから好きなものを選び、レジで精算するカフェテリア方式の食堂である。自分が好きな料理を自由に組み合わせられるのが人気だ。また、熱い料理は熱く、冷たい料理は冷たく提供するように配慮されている。
スタッフは、常連客に栄養が偏らないようバランスが取れたメニューを勧めたり、常連客以外にはその日のお勧めメニューを詳しく紹介したりと、カウンター越しから盛んに声をかける。
この気遣いが店の好感度を高め、リピーター(再来客)を増やす要因の1つとなっている。
常連客の1人は、「スタッフがみんな元気なので、こちらも元気を分けてもらっているような気がします」と語る。同社のスタッフはとにかく元気で明るく、テキパキと仕事をこなす。客はそんなスタッフの姿に感動し、常連になっていく。
まいどおおきに食堂川久保店を手がける新河の比地利之社長はこう語る。「活気ある店づくりは、スタッフ全員に自分たちの店であることを認識させることが重要だと思います。そのため、私とスタッフとが一緒に他店を見学に行って、他店の良い点と悪い点を見つけ出し、自分たちの店に反映させるようにしています。また、お客様を飽きさせないための新メニューの開発には、経験の浅いスタッフまで開発チームに加えるなどして、店舗運営の参加意識を高めるようにしています」
これらの取り組みが功を奏して、スタッフは非常に能動的だ。しかし、同店は05年2月のオープン当初から盛況だったわけではない。新規客を呼び込むために割引チケットの付いたチラシを配ってまわるなど、地道な取り組みの積み重ねにより顧客を徐々に増やしてきた。それらの行動は、社長の指示ではなく、スタッフたちが自ら進んで行なってきたのである。

(右)新河 比地利之社長(左)まいどおおきに食堂川久保店の店舗(福岡県大野城市)
スタッフにとって店は「人生の夢舞台」である
スタッフが入退時に押すタイムカードの上には、『仕事と思うな人生と思え!』との格言が書かれている。「スタッフにとっては店が人生の夢舞台であり、自己成長の場であるということを認識してもらうために、そう書きました。スタッフはタイムカードを押すたびに、私の気持ちを理解してくれていると思います」(比地社長)
同社では、「目標主義」を掲げている。集客率アップや売り上げアップなど会社としての目標はもちろん、「資格を取る」「高級車を買う」「家を買う」などスタッフ1人ひとりの夢や目標も明確化している。個人の目標は全員で応援し、達成時には全員で喜びを分かち合う。
比地社長は、スタッフが目標や夢を実現することで、充実した人生を送り、それがまた仕事の充実へとつながり、結果的に顧客サービスが充実すると考える。
スタッフの誕生日にはスタッフ全員でメッセージを書いた色紙を渡して祝福する。「そんな時に、自分の夢がどの程度まで達成したかが話題にのぼったりします。そして、達成したスタッフには、みんなでお祝いをします。仕事と私生活との区別は付けず、なりたい自分になるために1つひとつの舞台で着実に成長することを願い、夢に向かって刺激しあい、励まし合える環境を作っていきたいのです」(同)
また、同社ではスタッフを採用する際には、働く意欲はもちろん、夢を持っているかどうかを重要な評価軸にしている。初めから夢を持って入社してくる人は、目標に向かって突き進む意識も強いからだ。

まいどおおきに食堂川久保店では熱い料理は熱く、冷たい料理は冷たく出す。この店オリジナルのメニューもある。
地元に愛されなければ会社存続の意味はない
新河は福岡県内で焼き肉や回転寿司など外食産業を手がけるかわはらグループの一社で、05年からカフェテリア形式の食堂経営に乗り出した。食堂経営に至った理由を比地社長はこう語る。「焼き肉や回転寿司はお客様が週末に偏るので、平日に集客できる食堂に注目しました」。
現在、川久保店を含めて2店舗の食堂を展開している。グループ各店を含め、同社は「地域に愛されること」を一番の目標として掲げる。比地社長は、地元に愛されなければ企業は存続できないとさえ思っている。「料理がおいしく、品数も豊富、そして清潔感にあふれているのは、飲食店として当たり前です。そのうえで、お客様を感動させるサービスができてこそ、いいお店なのではないでしょうか。それが地域から愛される店につながります」(比地社長)
新河のみならず、かわはらグループの店は、いずれも地域の評判が高い。地域にとって「なければならない店」になっているのだ。スタッフの満足度を高めることによって、顧客の感動満足度が高くなった好例だ。
会社概要Company Data
新河
【所在地】福岡県筑紫野市紫5-19-1
【TEL】092-918-3300
【創業】2005年2月
【資本金】300万円
【売上高】2億円(06年)
【従業員】65人(パート・アルバイト含む)
【事業内容】飲食店経営
文・山川泰仁
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「いらっしゃいませー」。客が入店するたびに、スタッフ全員の挨拶が店内に大きく響き渡る。店の中では、スタッフがカウンターを挟んで明るく応対してくれる。まいどおおきに食堂川久保店は、昼夜を問わず車が行き交う幹線道路から奥まった道に面していながら、昼食時ともなれば駐車場に車があふれ、入口は入店待ちの客が列を成すほどにぎわう。
「まいどおおきに食堂」は、棚の上に並べられた料理のなかから好きなものを選び、レジで精算するカフェテリア方式の食堂である。自分が好きな料理を自由に組み合わせられるのが人気だ。また、熱い料理は熱く、冷たい料理は冷たく提供するように配慮されている。
スタッフは、常連客に栄養が偏らないようバランスが取れたメニューを勧めたり、常連客以外にはその日のお勧めメニューを詳しく紹介したりと、カウンター越しから盛んに声をかける。
この気遣いが店の好感度を高め、リピーター(再来客)を増やす要因の1つとなっている。
常連客の1人は、「スタッフがみんな元気なので、こちらも元気を分けてもらっているような気がします」と語る。同社のスタッフはとにかく元気で明るく、テキパキと仕事をこなす。客はそんなスタッフの姿に感動し、常連になっていく。
まいどおおきに食堂川久保店を手がける新河の比地利之社長はこう語る。「活気ある店づくりは、スタッフ全員に自分たちの店であることを認識させることが重要だと思います。そのため、私とスタッフとが一緒に他店を見学に行って、他店の良い点と悪い点を見つけ出し、自分たちの店に反映させるようにしています。また、お客様を飽きさせないための新メニューの開発には、経験の浅いスタッフまで開発チームに加えるなどして、店舗運営の参加意識を高めるようにしています」
これらの取り組みが功を奏して、スタッフは非常に能動的だ。しかし、同店は05年2月のオープン当初から盛況だったわけではない。新規客を呼び込むために割引チケットの付いたチラシを配ってまわるなど、地道な取り組みの積み重ねにより顧客を徐々に増やしてきた。それらの行動は、社長の指示ではなく、スタッフたちが自ら進んで行なってきたのである。

スタッフにとって店は「人生の夢舞台」である
スタッフが入退時に押すタイムカードの上には、『仕事と思うな人生と思え!』との格言が書かれている。「スタッフにとっては店が人生の夢舞台であり、自己成長の場であるということを認識してもらうために、そう書きました。スタッフはタイムカードを押すたびに、私の気持ちを理解してくれていると思います」(比地社長)
同社では、「目標主義」を掲げている。集客率アップや売り上げアップなど会社としての目標はもちろん、「資格を取る」「高級車を買う」「家を買う」などスタッフ1人ひとりの夢や目標も明確化している。個人の目標は全員で応援し、達成時には全員で喜びを分かち合う。比地社長は、スタッフが目標や夢を実現することで、充実した人生を送り、それがまた仕事の充実へとつながり、結果的に顧客サービスが充実すると考える。
スタッフの誕生日にはスタッフ全員でメッセージを書いた色紙を渡して祝福する。「そんな時に、自分の夢がどの程度まで達成したかが話題にのぼったりします。そして、達成したスタッフには、みんなでお祝いをします。仕事と私生活との区別は付けず、なりたい自分になるために1つひとつの舞台で着実に成長することを願い、夢に向かって刺激しあい、励まし合える環境を作っていきたいのです」(同)
また、同社ではスタッフを採用する際には、働く意欲はもちろん、夢を持っているかどうかを重要な評価軸にしている。初めから夢を持って入社してくる人は、目標に向かって突き進む意識も強いからだ。

地元に愛されなければ会社存続の意味はない
新河は福岡県内で焼き肉や回転寿司など外食産業を手がけるかわはらグループの一社で、05年からカフェテリア形式の食堂経営に乗り出した。食堂経営に至った理由を比地社長はこう語る。「焼き肉や回転寿司はお客様が週末に偏るので、平日に集客できる食堂に注目しました」。
現在、川久保店を含めて2店舗の食堂を展開している。グループ各店を含め、同社は「地域に愛されること」を一番の目標として掲げる。比地社長は、地元に愛されなければ企業は存続できないとさえ思っている。「料理がおいしく、品数も豊富、そして清潔感にあふれているのは、飲食店として当たり前です。そのうえで、お客様を感動させるサービスができてこそ、いいお店なのではないでしょうか。それが地域から愛される店につながります」(比地社長)
新河のみならず、かわはらグループの店は、いずれも地域の評判が高い。地域にとって「なければならない店」になっているのだ。スタッフの満足度を高めることによって、顧客の感動満足度が高くなった好例だ。
会社概要Company Data
新河
【所在地】福岡県筑紫野市紫5-19-1
【TEL】092-918-3300
【創業】2005年2月
【資本金】300万円
【売上高】2億円(06年)
【従業員】65人(パート・アルバイト含む)
【事業内容】飲食店経営
文・山川泰仁
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