2008年03月13日更新
<2月号特集>教育支援事業を展開
現地での人材育成の経験を生かし
アジア各国で教育支援事業を展開
ブレインワークス 東京都品川

情報関連の先端企業が集まるソフトウェアパーク内にブレインワークスが設立したベトナム現地法人本社で働くベトナム人技術者たち。
アジア各国で教育支援事業を展開
ブレインワークス 東京都品川

情報関連の先端企業が集まるソフトウェアパーク内にブレインワークスが設立したベトナム現地法人本社で働くベトナム人技術者たち。
ブレインワークスは、ベトナムが今ほど注目される前から現地法人を設立し、システムエンジニアを育ててきた。日本の官公庁の業務管理システムなど、次々と大型開発案件をこなしている。また、人材育成の経験を生かし、アジア各国におけるビジネス教育サービスという新事業も生み出した。
ベトナム人は肌が合うので一緒に働きやすい
ブレインワークスは中小企業支援のコンサルティング会社で、特に中小企業のIT(情報技術)戦略の支援と人材育成に強みを持つ。社員の約3割はベトナム人や中国人などアジア各国の人材が占める。ベトナムとのかかわりは、1999年に始まる。ソフトウェアを開発して日本へ納入するオフショア開発拠点としてジーエービービーベトナムをホーチミンに設立したことがきっかけだ。
現地法人ジーエービービーベトナムが入っているホーチミン市内のビル。
93年にブレインワークスを創業した近藤昇社長は、優秀な人材を育ててアジア経済の発展に貢献したいという思いを抱き、創業間もない頃からアジア各国の留学生を受け入れ、ビジネス教育の支援を行なってきた。この経験から肌で感じたことがある。
「ベトナム人は素直だとか、中国人と比べておとなしいなどと言われますが、人間ですから基本は同じ。叱られれば悔しいし、ほめられればうれしいと感じる。もちろん優秀な人材は国籍に関係ありません。ただ、ベトナム人と日本人は感覚がよく似ている点がいくつもあるのです」(近藤社長)
国土面積と人口が日本と大差なく、仏教も根付いている。勤勉で向学心の高い人も多い。日本人と肌が合うベトナム人は、一緒に働きやすいビジネスパートナーといえる。また、ベトナムは国を挙げてソフト産業を育てようとしている。トップの国立大学で情報工学などを学んだ優秀な学生がソフト技術者を目指す。超エリートを確保しやすい点も近藤社長にとって魅力だった
人材教育が進出成功のカギ
ブレインワークスが進出したのは、ベトナム南部のホーチミン市郊外にあるIT関係を中心にした工業区「QTSC」(クァンチュン・ソフトウェアパーク)。社会基盤も整い、会社設立に必要なライセンス契約が無料であるのが好都合だった。現地法人の立ち上げに際して一番苦労したのが、日本語教育だった。
研修ではコンピューターのソフト開発技術に加えて日本語も教える。
日本の企業から発注されたソフト開発では、どうしても日本語を使用したプログラミング技術が必要になる。また、日常会話はもちろん、漢字の読み書き、IT用語、仕様書など、日本語でのやりとりが不可欠だ。そこで、日本語による徹底研修を行ない、仕事中もできるだけ日本語で会話をするようにした。従業員が増えた現在では、日本語の専属講師を配置し、より質の高い日本語教育を行なっている。さらに、進出時期に苦労して育てたベトナム人社員が、新人社員を日本語で技術指導をするなど、好循環が生まれている。
一般的に資本主義が発達していない国の労働者は、自分たちの作った品物は売れない方がいいとすら思っている。作る量が少なくて済み、作業が楽だからだ。こうした人材に、よいものを作ればたくさん売れる、たくさん売れれば会社が儲かり、会社が儲かれば給料も上がるということを教えると、前向きに働くようになる。ベトナムも同様で、教育を担当するスタッフの力量が問われる。
近藤昇社長は、アジア進出希望企業の視察旅行などを企画し、アジア各国へ頻繁に飛んでいる。
「人件費の安さを目当てに進出する日本企業も多いのですが、きちんと人材を育てる気持ちがなければ成功はおぼつかないでしょう。現地法人の立ち上げ時は、日本でマネジメント(人事管理)経験のあるエース級の人材を送り込むべきです」と近藤社長は強調する。こうした方針の正しさを証明するように現地法人の業績は好調で、日本の官公庁の業務管理システムやメーカーの販売管理システム、サービス業の情報提供サイト会員管理システムなど、大型案件を次々とこなすようになった。
現在、約100人の現地社員がいるが、事業拡大に向けて雇用を増やす計画だ。新入社員の給与は能力に応じて大卒平均賃金の1.5倍まで支払うなど、優秀な人材には相応の出費を惜しまない。ベトナムでは転職に対して心理的な抵抗感が小さく、他企業からの引き抜きも盛んなので、その対策という意味もある。さらに、社員旅行などを通じて親睦を深め、愛社精神を育てて社員の定着を図っている。
ブレインワークスは関連会社のカナリア書房からベトナムの企業やビジネスに関する書籍を出版している。
ベトナムに進出した恩恵は、間接業務にも表れている。ブレインワークスでは、今までベトナム人などのアジア系IT技術者を日本で研修し、契約企業に派遣する業務も手がけてきた。日本での長期間研修には、それなりの費用が必要だったが、ベトナムでソフト開発技術と日本語を学ばせたうえで、日本に呼び寄せれば即戦力として活躍できる。
近藤社長は、06年に合弁でITエンジニアをはじめとする技術者を養成する学校「SGBJ」をホーチミンに設立した。「急がば回れです。早急に業績を上げたくても、時間をかけて人材育成に取り組まなければうまくいきません。自社の利益はもちろんですが、ベトナム全体の人材レベルを上げるという志を持つことが必要です」(近藤社長)
ブレインワークスでは、ベトナムでの人材育成ノウハウを生かして、アジア各国における幹部研修やマナー研修、日本語研修などのサービスを開始。企業支援の幅が広がった。ベトナム進出は、単なるオフショア開発の拠点にとどまらず、アジア企業へのトータル支援の基盤づくりという大きな効果をもたらしている。
【会社クレジット】
ブレインワークス
【所在地】〒141-0031 東京都品川区西五反田6-2-7 ウエストサイド五反田ビル3F
【設立】1993年12月
【TEL】03-5759-5066
【資本金】1億7370万円(07年9月時点)
【連結売上高】11億9200万円(07年9月期)
【従業員】160人(グループ全体)
【事業内容】経営革新支援サービス、ネットワーク関連サービス、情報共有化・活用化実践支援など
【URL】http://www.bwg.co.jp/
【現地法人】ジーエービービーベトナム
【設立】2001年12月
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ブレインワークスは中小企業支援のコンサルティング会社で、特に中小企業のIT(情報技術)戦略の支援と人材育成に強みを持つ。社員の約3割はベトナム人や中国人などアジア各国の人材が占める。ベトナムとのかかわりは、1999年に始まる。ソフトウェアを開発して日本へ納入するオフショア開発拠点としてジーエービービーベトナムをホーチミンに設立したことがきっかけだ。
現地法人ジーエービービーベトナムが入っているホーチミン市内のビル。93年にブレインワークスを創業した近藤昇社長は、優秀な人材を育ててアジア経済の発展に貢献したいという思いを抱き、創業間もない頃からアジア各国の留学生を受け入れ、ビジネス教育の支援を行なってきた。この経験から肌で感じたことがある。
「ベトナム人は素直だとか、中国人と比べておとなしいなどと言われますが、人間ですから基本は同じ。叱られれば悔しいし、ほめられればうれしいと感じる。もちろん優秀な人材は国籍に関係ありません。ただ、ベトナム人と日本人は感覚がよく似ている点がいくつもあるのです」(近藤社長)
国土面積と人口が日本と大差なく、仏教も根付いている。勤勉で向学心の高い人も多い。日本人と肌が合うベトナム人は、一緒に働きやすいビジネスパートナーといえる。また、ベトナムは国を挙げてソフト産業を育てようとしている。トップの国立大学で情報工学などを学んだ優秀な学生がソフト技術者を目指す。超エリートを確保しやすい点も近藤社長にとって魅力だった
人材教育が進出成功のカギ
ブレインワークスが進出したのは、ベトナム南部のホーチミン市郊外にあるIT関係を中心にした工業区「QTSC」(クァンチュン・ソフトウェアパーク)。社会基盤も整い、会社設立に必要なライセンス契約が無料であるのが好都合だった。現地法人の立ち上げに際して一番苦労したのが、日本語教育だった。
研修ではコンピューターのソフト開発技術に加えて日本語も教える。日本の企業から発注されたソフト開発では、どうしても日本語を使用したプログラミング技術が必要になる。また、日常会話はもちろん、漢字の読み書き、IT用語、仕様書など、日本語でのやりとりが不可欠だ。そこで、日本語による徹底研修を行ない、仕事中もできるだけ日本語で会話をするようにした。従業員が増えた現在では、日本語の専属講師を配置し、より質の高い日本語教育を行なっている。さらに、進出時期に苦労して育てたベトナム人社員が、新人社員を日本語で技術指導をするなど、好循環が生まれている。
一般的に資本主義が発達していない国の労働者は、自分たちの作った品物は売れない方がいいとすら思っている。作る量が少なくて済み、作業が楽だからだ。こうした人材に、よいものを作ればたくさん売れる、たくさん売れれば会社が儲かり、会社が儲かれば給料も上がるということを教えると、前向きに働くようになる。ベトナムも同様で、教育を担当するスタッフの力量が問われる。
近藤昇社長は、アジア進出希望企業の視察旅行などを企画し、アジア各国へ頻繁に飛んでいる。「人件費の安さを目当てに進出する日本企業も多いのですが、きちんと人材を育てる気持ちがなければ成功はおぼつかないでしょう。現地法人の立ち上げ時は、日本でマネジメント(人事管理)経験のあるエース級の人材を送り込むべきです」と近藤社長は強調する。こうした方針の正しさを証明するように現地法人の業績は好調で、日本の官公庁の業務管理システムやメーカーの販売管理システム、サービス業の情報提供サイト会員管理システムなど、大型案件を次々とこなすようになった。
現在、約100人の現地社員がいるが、事業拡大に向けて雇用を増やす計画だ。新入社員の給与は能力に応じて大卒平均賃金の1.5倍まで支払うなど、優秀な人材には相応の出費を惜しまない。ベトナムでは転職に対して心理的な抵抗感が小さく、他企業からの引き抜きも盛んなので、その対策という意味もある。さらに、社員旅行などを通じて親睦を深め、愛社精神を育てて社員の定着を図っている。
ブレインワークスは関連会社のカナリア書房からベトナムの企業やビジネスに関する書籍を出版している。ベトナムに進出した恩恵は、間接業務にも表れている。ブレインワークスでは、今までベトナム人などのアジア系IT技術者を日本で研修し、契約企業に派遣する業務も手がけてきた。日本での長期間研修には、それなりの費用が必要だったが、ベトナムでソフト開発技術と日本語を学ばせたうえで、日本に呼び寄せれば即戦力として活躍できる。
近藤社長は、06年に合弁でITエンジニアをはじめとする技術者を養成する学校「SGBJ」をホーチミンに設立した。「急がば回れです。早急に業績を上げたくても、時間をかけて人材育成に取り組まなければうまくいきません。自社の利益はもちろんですが、ベトナム全体の人材レベルを上げるという志を持つことが必要です」(近藤社長)
ブレインワークスでは、ベトナムでの人材育成ノウハウを生かして、アジア各国における幹部研修やマナー研修、日本語研修などのサービスを開始。企業支援の幅が広がった。ベトナム進出は、単なるオフショア開発の拠点にとどまらず、アジア企業へのトータル支援の基盤づくりという大きな効果をもたらしている。
【会社クレジット】
ブレインワークス
【所在地】〒141-0031 東京都品川区西五反田6-2-7 ウエストサイド五反田ビル3F
【設立】1993年12月
【TEL】03-5759-5066
【資本金】1億7370万円(07年9月時点)
【連結売上高】11億9200万円(07年9月期)
【従業員】160人(グループ全体)
【事業内容】経営革新支援サービス、ネットワーク関連サービス、情報共有化・活用化実践支援など
【URL】http://www.bwg.co.jp/
【現地法人】ジーエービービーベトナム
【設立】2001年12月
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