2008年03月13日更新
<美・健康業界>業績を伸ばす美容院経営
3カ月で物販売り上げ120万円
まぐれより必然を選んだ
まぐれより必然を選んだ
美容院経営において「技術だけで月100万円の売り上げを上げるのは難しい」とYayoi(福岡県中間市)の河上智志マネージャーは指摘する。カットに5000円払うお客さまは多くなく、業績を伸ばすには別の事業が必要になってくると……。その実践例を紹介しよう。
全国約1300店舗の美容院の経営をサポートしてきたSPCN(サロン・パートナーズ・コンサルティング・ネットワーク)が展開する「ミッショナリー(以下MS )」はヘアサロン内で受けられるフェイシャルエステ。その導入店は全国で約90店舗。そのひとつ、Yayoi(福岡県中間市)の河上智志マネージャーにインタビューした。
――MS開始より3カ月で物販売り上げ120万円到達とは速いペースですね。
ある程度の結果は出せたかなと思っています。でもはじまったばかりですから、油断はしていません。これからだと思っています。
――なぜMSを導入されたのですか。
これからはスタイリストの売り上げには限界点が出てくるでしょう。生産性を考えると、技術だけで100万円は難しいはずです。カットに5000円払うお客さまは、やはり多くない。すると生産性を上げるためには別の事業が必要です。<切る><塗る><かける><洗う>だけの営業スタンスでは頭打ちになるに違いない。
そこで美容室でよりよい商品を提案するMSは、経営的によい取り組みだと思いました。
Yayoi(福岡県中間市)の河上智志マネージャーは「美容業は一種のコミュニケーション商売ですから、美容師にとってしゃべりはなにより重要」と指摘する
――実際にはじめて3カ月、MSはどんな事業ですか。
新しい商売をはじめた感覚です。新しい事業部を立ち上げているという意識です。店で売るメニューがひとつ増えた、新たな利益構造が1個できたという実感です。
――新しい事業部との位置づけですか。
これまでの経営方針では、物販は重視してこなかった。「やっぱり技術でしょう!」「技術売り上げがメインでしょう!」「なにも物販に頼らなくてもね」と技術売り上げへの執着が強くあった。だから「店販いくら売りましょう!」とはいったことがありません。
でもMSに取り組んでみて物販が動き出すと、お客さまと店との信頼関係が高まることがわかりました。また方法がわかれば、「なんだ、できるじゃん!」と逆に物販のおもしろさも感じています。
――以前の店販売り上げはどのぐらいでしたか。
MSをはじめる2007年9月までは月平均10万円にも届いていませんでした。
――すると余力を残して12倍とはすごいですね。店全体の総売り上げはどうですか。
06年12月の総売り上げは200万円でした。MSをはじめる前ですからヘアだけでの売り上げになります。07年はMSによる物販売り上げを加えると358万円になります。ヘア店販も約40万円に上昇して、総売り上げの昨年対比は179%になりました。
――新しい商売がはじまると、店の様子は変わりますか。
第一にみんなのコミュニケーションスキルが間違いなく上がりました。第二に売り上げ構造に対する考え方が変わった。第三に、とりわけフェイシャルパートナー(以下FP/髪と肌の悩みの解決をお手伝いする)の山中さんの3カ月の成長はめざましいものがありました。
――コミュニケーションスキルが上がったのですか。
MSをはじめてからのいちばんの変化です。肌生理学の知識など、たくさんのことをお客さまに話せるようになりました。美容業は一種のコミュニケーション商売ですから、美容師にとってしゃべりはなにより重要です。その能力が飛躍的に伸びましたね。店内のコミュニケーション量が大幅に増えたと思います。
――売り上げ構造に対する考え方とはどういうことですか。
売り上げが上がった月も、下がった月も、以前は「なぜ」が明確ではありませんでした。「なにを怠ったから下がったのか。どんな準備があったから上がったのか。なにをどうすれば売り上げが上がるのか」を考える力が、スタッフのなかでできつつあります。経営を考える力、結果に対する原因究明するレベルが、一段、二段と深まりました。
――山中さんはどのような成長を遂げられましたか。
物事を経営的な観点でみるようになりました。たとえば、いままでは給料はもらうもの、でした。それが自分たちで稼ぐものという意識になりました。
――大きな変化ですね。
経営者の言葉が通じるようになりました。「売り上げが伸びているのに給料が安いのはおかしい」。逆に「売り上げが落ちているのに給料をもらってよいのかしら?」という感覚です。
リアルな話もできるようになったし、彼女の発する言葉も厳しくなった。スタッフ間の雑談でも「クロージングが甘かった」「プレシンキングが甘い」など、普段の会話に共通言語が生まれています(笑)。
――MSの研修へはFPだけでなく、スタッフ全員で参加したそうですね。収穫はありましたか。
「売り上げはまぐれでは上がらんね」「売り上げが上がるには裏づけがあるよね」ということをスタッフが感じてくれました。自分たちに「なにが足りないか」を見つけてくれた研修でした。
――立ち上がりが順調な要因を上げるとすれば。
エステ立ち上げの失敗例も見聞きしていましたが、それは「美容師は美容師」「エステはエステ」と分けて位置づけているからです。同じ会社で、同じ目的を追いかけているのにおかしい。
「みんないっしょで!」という価値観でいることではないでしょうか。それはお客さまに対する責任感であると思っています。
――どうもありがとうございました。
【関連サイト】
●SPCNコンサルティングサイト
http://www.spcn.jp/
サロンオーナーズマガジン「月刊SPCN」(株式会社リンク・イノベーション発行)3月号より転載
――MS開始より3カ月で物販売り上げ120万円到達とは速いペースですね。
ある程度の結果は出せたかなと思っています。でもはじまったばかりですから、油断はしていません。これからだと思っています。
――なぜMSを導入されたのですか。
これからはスタイリストの売り上げには限界点が出てくるでしょう。生産性を考えると、技術だけで100万円は難しいはずです。カットに5000円払うお客さまは、やはり多くない。すると生産性を上げるためには別の事業が必要です。<切る><塗る><かける><洗う>だけの営業スタンスでは頭打ちになるに違いない。
そこで美容室でよりよい商品を提案するMSは、経営的によい取り組みだと思いました。
Yayoi(福岡県中間市)の河上智志マネージャーは「美容業は一種のコミュニケーション商売ですから、美容師にとってしゃべりはなにより重要」と指摘する――実際にはじめて3カ月、MSはどんな事業ですか。
新しい商売をはじめた感覚です。新しい事業部を立ち上げているという意識です。店で売るメニューがひとつ増えた、新たな利益構造が1個できたという実感です。
――新しい事業部との位置づけですか。
これまでの経営方針では、物販は重視してこなかった。「やっぱり技術でしょう!」「技術売り上げがメインでしょう!」「なにも物販に頼らなくてもね」と技術売り上げへの執着が強くあった。だから「店販いくら売りましょう!」とはいったことがありません。
でもMSに取り組んでみて物販が動き出すと、お客さまと店との信頼関係が高まることがわかりました。また方法がわかれば、「なんだ、できるじゃん!」と逆に物販のおもしろさも感じています。
――以前の店販売り上げはどのぐらいでしたか。
MSをはじめる2007年9月までは月平均10万円にも届いていませんでした。
――すると余力を残して12倍とはすごいですね。店全体の総売り上げはどうですか。
06年12月の総売り上げは200万円でした。MSをはじめる前ですからヘアだけでの売り上げになります。07年はMSによる物販売り上げを加えると358万円になります。ヘア店販も約40万円に上昇して、総売り上げの昨年対比は179%になりました。
――新しい商売がはじまると、店の様子は変わりますか。
第一にみんなのコミュニケーションスキルが間違いなく上がりました。第二に売り上げ構造に対する考え方が変わった。第三に、とりわけフェイシャルパートナー(以下FP/髪と肌の悩みの解決をお手伝いする)の山中さんの3カ月の成長はめざましいものがありました。
――コミュニケーションスキルが上がったのですか。
MSをはじめてからのいちばんの変化です。肌生理学の知識など、たくさんのことをお客さまに話せるようになりました。美容業は一種のコミュニケーション商売ですから、美容師にとってしゃべりはなにより重要です。その能力が飛躍的に伸びましたね。店内のコミュニケーション量が大幅に増えたと思います。
――売り上げ構造に対する考え方とはどういうことですか。
売り上げが上がった月も、下がった月も、以前は「なぜ」が明確ではありませんでした。「なにを怠ったから下がったのか。どんな準備があったから上がったのか。なにをどうすれば売り上げが上がるのか」を考える力が、スタッフのなかでできつつあります。経営を考える力、結果に対する原因究明するレベルが、一段、二段と深まりました。
――山中さんはどのような成長を遂げられましたか。
物事を経営的な観点でみるようになりました。たとえば、いままでは給料はもらうもの、でした。それが自分たちで稼ぐものという意識になりました。
――大きな変化ですね。
経営者の言葉が通じるようになりました。「売り上げが伸びているのに給料が安いのはおかしい」。逆に「売り上げが落ちているのに給料をもらってよいのかしら?」という感覚です。
リアルな話もできるようになったし、彼女の発する言葉も厳しくなった。スタッフ間の雑談でも「クロージングが甘かった」「プレシンキングが甘い」など、普段の会話に共通言語が生まれています(笑)。
――MSの研修へはFPだけでなく、スタッフ全員で参加したそうですね。収穫はありましたか。
「売り上げはまぐれでは上がらんね」「売り上げが上がるには裏づけがあるよね」ということをスタッフが感じてくれました。自分たちに「なにが足りないか」を見つけてくれた研修でした。
――立ち上がりが順調な要因を上げるとすれば。
エステ立ち上げの失敗例も見聞きしていましたが、それは「美容師は美容師」「エステはエステ」と分けて位置づけているからです。同じ会社で、同じ目的を追いかけているのにおかしい。
「みんないっしょで!」という価値観でいることではないでしょうか。それはお客さまに対する責任感であると思っています。
――どうもありがとうございました。
【関連サイト】
●SPCNコンサルティングサイト
http://www.spcn.jp/
サロンオーナーズマガジン「月刊SPCN」(株式会社リンク・イノベーション発行)3月号より転載



