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2008年02月21日更新

<シニアベンチャー>どこでも受付通訳サービス

オンライン通訳サービスを事業化
グローバル展開を目指す


●株式会社コミュニケーションブリッジ 代表取締役社長兼CSO 森田正美
<もりた・まさみ>昭和25年生まれ。大学の機械工学部を卒業後ドイツへ留学、原子力の研究に従事。31歳で帰国してサラリーマンとなる。平成14年、52歳で早期退職し、翌年ITコンサルタントとして独立。同16年、コミュニケーション仲介サービス、ソフトウェア開発キット輸出入販売サービス、ソフトウェア開発サービスを主業務とする(株)コミュニケーションブリッジを立ち上げる。
http://www.cobr.jp/

文・写真:川井眞理(ピーエーピー・ジャパン

自分らしい仕事をしたいと考え、起業したシニアにエールを送るコーナーです。
早期退職制度を利用して独立後、インキュベーション施設での出会いがあたためていたビジネスアイデア実現のきっかけになりました。

専門はコンピュータによる原子力解析

――具体的にはどのような事業ですか。
メインは従来からあるWEB会議システムに弊社が契約している通訳会社の中国語、英語、韓国語スタッフを参加させることで、中小企業でも海外との交渉を簡単に、安価で受けられるようにした通訳サービスです。一般にテレビ会議システムには高価な専用機械が必要ですが、弊社はインターネットを活用し、ブロードバンド環境下にある必要スペックを満たしたパソコンにウェブカメラとヘッドセットをつなぐだけなので、大きな導入コストがかかりません。

「仕事は楽しくないと続かない」という森田さん。グローバルなビジネスモデルである<どこでも受付通訳サービス>を世界中に拡げるのが夢



――WEB会議に通訳を手軽に利用できるようにしたのが御社のウリというわけですね。
当初はWEB会議のエンジンも作って提供していたのですが、WEB会議自体をいろんな会社が作っているので、今はそれらを用途に応じて使い分け、サービス提供しています。通訳を含めて会議に参加できる人数の基本は5人ですが、3人から10人まで対応でき、逆に通訳なしの1対3ぐらいの学習塾バージョンのエンジンなどにも対応可能です。

――森田さんがこのような事業をしようと考えられたのはどうしてですか。
私は大学卒業後ドイツの工科大学に留学してずっと研究生活を送っていました。ひと区切りついた31歳で帰国、就職したものの、元々サラリーマン向きの性格じゃない(笑)。そこで52歳のとき早期退職制度を利用して、「ITコンサルタントを自分でやろう」と独立しました。そこで入居したインキュベーション施設で元商社マンと情報システム出身者との出会いがあり、以前からあたためていた事業アイデアが具体化したということです。

通訳サービスの仕組みを説明する森田さん。2007年10月には大阪商工会議所主催の「大阪勧業展」で実際に北京に電話するデモを行なった



――人との出会いが大きな事業への挑戦を可能にしたのですね。
元々コンピュータを使って原子力の解析をするのが専門でしたから、その応用でソフトウェア開発ならひとりでもできると思い、ITと経営の橋渡しをすべく経産省認定のITコーディネータの資格を取得したんです。何らかのソフト会社を作りたい思いもあったものの、ひとりで事業はできません。それが出会いによって可能になりました。三者三様のバックグラウンドをもつ人間が集まったので、議論するにはちょうどよいと思っています。

今後は事業をグローバル展開へ

――2007年秋からさらに新しいハンディタイプの通訳サービスも始められたと伺いましたが。
はい、『どこでも受付通訳サービス』は通訳を雇うほどでもない外国人との交渉場面で、インフォメーションならパソコン利用でその場で通訳、それ以外だと携帯電話を利用して、中国語・英語・韓国語の通訳利用をいつでも可能にしたサービスです。例えば会社の受付に外国人が訪ねて来た時にダイヤルすると、弊社が提携している通訳会社の待機中の通訳者グループの携帯電話に自動的につながり、最初に対応したスタッフが通訳します。

ブースで仕事中の森田さん。3人とも普段は別々に仕事をしており、必要に応じて集まるフレキシブルな起業形態をとる


――手軽に通訳を依頼できれば外国(人)との交渉の障壁が低くなりそうですね。
他社サービスとの違いは、コールセンターの中継なしに直接通訳スタッフにつながることです。コールセンターに常に人をはりつける必要がないので人件費が安くて済み、従量制で通訳サービスを利用することが可能になりました。本格的な営業はこれからですが、観光受付や医療関係の受付、ホテルのカウンター、デパートなどで利用されることを想定しています。

――すでに上海では<通訳付携帯電話レンタルサービス>も始められていますね。
これは平成18年にスタートしました。出張や旅行で中国へ行き、中国語で会話する必要が生じたとき、携帯電話で待機中のオペレーターを呼び出すと、オペレーターがお客様に代わって通訳し、用件を伝えるものです。私が北京へ出張した際、ホテルのフロントで相手の言ってることがわからず、知人の中国人を呼び出して通訳してもらい、事なきを得た経験から思いついたサービスです。今年は北京オリンピック、2010年には上海万博を控え、中国へ出かける日本人におおいに利用してもらえればと考えています。

――現在、事業はどのようなようすですか。
本業はIT関係のコンサル業やソフト開発などですが、まだ給料を出せるほど収益は出ていません。1期目15万円ほど、2期目300万円弱、3期目800万円ぐらいといったところですが、そろそろ消費税のことも考えないといけない。まだスポット的な動きしかありませんが、今後は通訳会社と一緒にデモンストレーションし、資金調達をしながら、この仕組みをグローバルに展開できるようにしたいですね。


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