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2008年02月07日更新

<税務Q&A>確定申告の方法と留意点

確定申告の方法と留意点

●渡辺ゆかり(わたなべ ゆかり) :
渡辺会計事務所所長。おもな著書に、「会社の数字早わかり」「連結決算を90分でおさらいする本」(いずれも共著、三笠書房・知的生きかた文庫シリーズ)がある。
URL:http://homepage2.nifty.com/ywatanabe/

個人事業主として営業しています。毎年確定申告を行なっていますが、今年は昨年と変わったことなどはありますか。確認のため、確定申告について全体的な流れも教えてください。
個人で事業を行なっている場合には、毎年1月1日から12月31日までの所得を計算し、確定申告をします。平成19年は税源移譲の関係で所得税の税率の改正があります。
また、住宅ローン控除で19年から控除を受ける場合の特例がありますので、よくご検討ください。

1.所得税の確定申告と納税

○確定申告の所得の計算期間
毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得の金額

○確定申告の提出期間
その翌年の2月16日から3月15日までの間に申告することになっていますが、平成20年は土曜日、日曜日の関係で、2月18日(月)から3月18日(月)となっております。

○確定申告書の提出先
納税地の所轄税務署長に提出
※納税地とは、一般的に住所地のことをいいます。

○所得税の確定申告分の納付
納付期限は、確定申告期限と同様に3月15日です(平成20年は3月18日までです)。
納付方法は、金融機関(銀行等、郵便局)または所轄の税務署の窓口となります。
※振替納税の手続きをされている方は、指定された金融機関の預貯金口座から自動的に納税が行なわれます(平成19年度の確定申告は振替納税の場合、口座引き落としが平成20年4月22日です)。
自動振替は納付の期限が延びますので、資金繰りが安定するというメリットがあります。
2.所得税の計算方法

収入金額(A)-収入から差し引かれる金額(B)=所得金額(C)
(C)-所得から差し引かれる金額(D)=課税される所得金額(E)
(E)×税率=所得税額(F) 
※税率は(F)により決まります。
(F)-税金から差し引かれる金額(G)=申告納税額

 事業所得者不動産所得者給与所得者
(A)収入金額 売上・雑収入等 家賃・地代等 給料・賞与等
(B)収入から差し引かれる金額 必要経費、売上原価・給料賃金、減価償却費等 租税公課・共同水道代・借入金利子等 給与所得控除(給与の金額に応じて、定められています)
(D)所得控除所得から差し引かれる金額 雑損控除・医療費控除・社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除・生命保険料控除・地震保険料控除・寄付金控除・寡婦、寡夫控除・勤労学生控除・障害者控除・配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除・基礎控除
(G)税額控除やその他税金から差し引かれる金額税額控除・・・配当控除・住宅借入金(取得)等特別控除・政党等寄付金特別控除等 その他 ・・・源泉徴収税額等

(D)(G)は、所得の種類に関係なく共通の項目です。

3.平成18年と19年の違い

○平成18年までは定率減税がありましたが、19年からは廃止されました。

○3000円の短期損害保険料控除が廃止され、新たに地震保険料控除ができました(長期の損害保険控除は継続されます)。

○所得税の税率が改正されました。
平成19年から所得税の税率は以下のように改正されています。

18年まで19年から
適用課税所得
税率
適用課税所得
税率
330万円以下の金額
10%
195万円以下の金額
5%
900万円以下の金額
20%
330万円以下の金額
10%
1800万円以下の金額
30%
695万円以下の金額
20%
1800万円超の金額
37%
900万円以下の金額
23%
  1800万円以下の金額
33%
  1800万円超の金額
40%

○住民税の税率は、一律10%になりました。
4.確定申告で控除できる項目のうちおもなもの

○医療費控除
本人または生計を一にする配偶者その他の親族のために平成19年中に支払った医療費が一定の金額以上ある場合に控除されます。
・医療費控除の対象となる医療費
医師、歯科医師による診療や治療やそのための医薬品の購入、病院や診療所、介護老人保健施設などに収容されるための人的役務の提供などで、そのものの対価のうち、その病状などに応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額をいいます。
また、控除を受ける場合には、医師などの領収書等を添付するか提示しなければなりませんので、ご注意ください。

○寄付金控除
国や地方公共団体、社会福祉法人、認定NPO法人など特定の団体に支出した寄付金や特定の政治献金、一定の特定公益信託の信託財産とするために支出した金銭がある場合に控除されます。
特定の政治献金のうち政党や政治資金団体に対するものについては、政党等寄付金特別控除とこの寄付金控除のどちらか有利なほうを選ぶことができます。

〔控除額の計算〕
次のいずれか低い方の金額 - 5千円= 寄付金控除額
イ:その都市に支出した特定寄付金の合計額
ロ:その都市の総所得金額の30%相当額

○住宅借入金(取得)等特別控除
住宅ローン等を利用して住宅を新築や購入または増改築等をした場合で、一定の要件に当てはまるときは、その新築や購入または増改築等のための借入金等(住宅の取得とともにするその住宅の敷地の用に供される土地等の取得のための借入金等も含みます)の年末残高の合計額を基として計算した金額をその住宅を居住の用に供した年以後の各年分の所得税額から控除することができます。

この場合の控除期間は、原則として、平成11年1月1日から平成13年6月30日までの間に居住の用に供した場合には15年間、平成13年7月1日から平成20年12月31日までの間に居住の用に供した場合には10年間となります。

○平成19年に新たに住宅ローン控除を受ける場合
平成19年は税源移譲により、所得税が減少し、住民税が増加しました。住宅ローン控除は所得税から控除するため、本来控除を受けることができる金額が控除できない場合が出てきました。そこで、平成19年居住開始と20年居住開始の人については、税制が改正されて、納税者が有利なほうを選択できるようになっています。

19年と20年に居住開始した場合の控除金額は次のようになります。

平成19年居住開始の場合
ローン残高 ~2500万円
原則
特例
1~6年目
1%
1~10年目
0.60%
7~10年目
0.50%
11~15年目
0.40%

納税者による選択制。 どちらの場合も最高控除額は200万円

平成20年居住開始の場合
ローン残高 ~2000万円
原則
特例
1~6年目
1%
1~10年目
0.60%
7~10年目
0.50%
11~15年目
0.40%

例)住宅ローン残高 2500万円  所得税が20万円の場合
原則では 2500万円×1%=25万円・・・ローン控除額
       所得税20万円 < 25万円 となり、
       控除額は20万 → 5万円は控除できない

特例では  2500万円×0.6%=15万円・・・ローン控除額
所得税20万円 > 15万円 となり、
       控除額は 15万 → 全額が控除できる

例では、平成19年の所得税の金額が20万円なので、最大で25万円の控除を受けることができるものが原則では控除できません。特例では15万円が限度額なので、全額が控除できます。
4.確定申告で控除できる項目のうちおもなもの

平成19年分もしくは20年分について、電子証明書を取得した個人が電子申告により確定申告を行なった場合には、5000円の税額控除を受けることができます。この税額控除はその年の所得税を限度とします。

平成18年までは申告書を送信したあとで医療費の領収書や社会保険料の証明書を税務署へ郵送することになっていましたが、平成19年以降からは、次の種類はあとから郵送しなくてもよくなりました。

・医療費の領収書
・社会保険料控除の証明書
・小規模企業共済等掛金控除の証明書
・生命保険料控除の証明書
・地震保険料控除の証明書
・給与所得、退職所得および公的年金等の源泉徴収票
・特定口座年間取引報告書

提出が省略できる書類は個人が3年間保存し、税務署から提出を求められた場合には、提出しなければなりません。  



キーワード

税務確定申告納税

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