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2008年01月24日更新

<12月号特集>新規事業の成否の分かれ目

本誌独自アンケート

実際に新事業に乗り出した建設会社が、事業を選んだ理由や参入時の課題、および、成否の分かれ目は何か。株式会社ベンチャー・リンクが行なったアンケート調査をまとめた。

各社とも新たな収益源の確保に意欲的

07年8月に株式会社ベンチャー・リンクが主催したセミナー「建設業のための新規事業立ち上げ成功5原則」に参加した建設業会社71社に実施したアンケートの結果をまとめた。



「高くなっている」と「昨年並み」を合わせると、売り上げでは62%、利益では72%に達しており、本業の経営状態が苦しいという印象はあまりない。しかし、「本業の課題は?」という質問に対する回答には以下のような例も多かった。
●公共事業が減り、落札価格も下がった結果、工事原価を圧迫するほど価格が減少してきているため、受注してもあまりもうからない。
●価格競争が厳しくなり、自社商品の品質を維持することが困難になってきている。



6割が新事業に取り組んだと回答。このうち、新事業から撤退して現在は行なっていない企業は5社。いったん撤退したが別の新事業に挑戦している企業は13社だった。新たな収益源の確保に意欲的なことが分かる。



最も多いのは非関連分野の「その他」で、ペット関連、ハウスクリーニング、魚の養殖、ガソリンスタンド、人材派遣、保険代理店など多岐にわたる。建築関連分野で最も多いのは「リフォーム、リニューアル」。本業に近く、参入障壁が低いのが理由のようだ。



進出時の課題として最も多く挙がったのは「人材確保、育成」だった。未知の新分野に乗り出すためには、何はともあれ優秀な人材の投入が欠かせない。また、新事業の展開にあたっては、「市場分析、進出分野の見極め」も頭を痛める課題だ。「その他」の内訳は、「本業との相乗効果」を狙う積極的な企業がある一方、「今までのやり方を変えることができない」「リスクを負う覚悟がない」という消極姿勢も目立つ。

市場調査、業務ノウハウ、人材、差別化がカギ

07年8月に株式会社ベンチャー・リンクが建設会社17社に電話による聞き取り調査を実施した結果をまとめた(うち、1社は検討段階でまだ新事業を開始していない)。なお、1社が複数の新事業を手がけている場合があり、新事業の総数は32だった。



「その他」の中には「建築、販売した家に住んでいるお客様に対して、健康増進に役立つサービスを提供しようと思った」(健康、娯楽施設)のように、同一顧客を本業と新事業の利用者にすることを狙う企業もある。



「順調」と「まあまあ」の合計は5割弱に達する。しかし、「うまくいっていない」の3割という数字も決して小さくはない。新事業進出には慎重に取り組む必要がある。

ヒトとカネが成否のカギ ―自由回答より


業種
・進出時に苦労した点
・順調な理由
・不調な理由

飲食店
・顧客の目線がどこに向いているか不明。
・人材確保。飲食は人の出入りが激しい。
・初期投資にお金をかけすぎた。

・2年くらい前から店長などの人が定着してきた。

・建設業に比べて利益が薄い。
・立地が悪い店舗は店長を代えても客足が大して変わらない。


学習塾
・経験がないため何も分からなかった。
・地域のマーケットが小さい。
・優れた人材を採用するのが難しかった。

・業務に慣れてきたことが大きい

・業務内容に対する教室長の理解が低い。教室長を変えるとまた1からトレーニングが必要なため、現状を維持している。

住宅、不動産関係
・住宅を貸し出す前の審査に手間がかかる。
・同業者から価格破壊と批判された。
・資金の借り入れ。

・人材育成に力を注いだから。
・本業に近い分野でノウハウ習得が容易。
・FC側の販促ツールを活用することで顧客対応がスムーズになった。

・リフォーム事業は、細かな点で手間がかかる。また、建築業者と不動産業者が参入してくるので競争が激しい。


健康、娯楽施設
・建物の設備に費用がかかる。
・女性を採用した経験がなかったため、人間関係の調整に苦労した。
・当初は、銀行から融資を断られた。

・会員数が増加することで収益も上がるというビジネスモデル。

・紹介キャンペーンに力を入れすぎてしまい、顧客満足度が下がってしまった。顧客満足度に集中しないといけない。


介護
・女性人員の確保が難しかった

・法律が改正される2年前からしっかりと準備してきた。
・ヘルパーを必要とする老人が非常に多い。

・-

小売業
・販促に対する社長の理解がなかなか得られなかった。
・売り上げを上げるのが大変である。

・セールスに対するノウハウを1年半で吸収し順調になった。

・オペレーション面で無駄が多い(勤務シフト、在庫など)。
・競争が激しく差別化が難しい。


その他
・営業力のある人材の確保が難しく、顧客が増える見通しが立たなかった。(保険業)
・市場拡大が課題。(気球による空撮)
・営業に慣れないことに加え、ビジネス自体を理解してもらうことが難しかった。(ウ
ェブサイト運営)

・地質調査メーカーの協力があったので、質の高い調査が行なえる。(地盤調査)
・通常の航空撮影の5分の1程度と格安の料金設定。(気球による空撮)

・十分な広告収入が得られていない。サイトの作り方の問題だが、差別化が難しい。(ウェブサイト運営)


続く>>新事業成功7つのポイント




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