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2008年01月10日更新

<税務Q&A>交際費の取り扱い

交際費の取り扱い

●渡辺ゆかり(わたなべ ゆかり) :
渡辺会計事務所所長。おもな著書に、「会社の数字早わかり」「連結決算を90分でおさらいする本」(いずれも共著、三笠書房・知的生きかた文庫シリーズ)がある。
URL:http://homepage2.nifty.com/ywatanabe/

個人事業主として12月まで営業していましたが、来年から法人を設立することになりました。法人として営業を開始したら、さまざまな会に出席して営業したいと思っています。法人は交際費がどのくらい認められるのでしょうか。
また、広告宣伝費と交際費の違いはどのように考えればよいでしょうか。個人事業主との違いはありますか。
法人が利益を追求するために交際費は必要であると考えられます。しかし、その全額を経費として認めることは社会的批判が少なからずあります。そこで、法人税法では交際費は原則として損金不算入(経費として認めない)とされています。
しかし、中小企業に対しては、一定額までは損金に算入できる(経費として認める)ことになっています。
1.交際費の損金不算入

交際費が損金に算入できるかどうかはその会社の期末資本金の金額によります。

・資本金1億円を超える会社・・・・交際費の全額が損金不算入
・資本金1億円以下の会社 ・・・・400万円までの交際費は損金算入
                     このうち10%は損金不算入
たとえば
○資本金1000万円の会社が390万円の交際費を支払った場合
  390万円×10%=39万円・・・・損金不算入
○資本金5000万円の会社が450万円の交際費を支払った場合
  450万円-400万円=50万円 ・・・a
  400万円×10%=40万円 ・・・b
  a+b=90万円 ・・・・損金不算入

2.交際費の範囲

交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出する費用をいいます。

ただし、次に掲げる費用は交際費等から除かれます。
(1) もっぱら従業員の慰安のために行なわれる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用 → 福利厚生費になります。
   
(2) 飲食その他これに類する行為のために要する費用(もっぱらその法人の役員もしくは従業員またはこれらの親族に対する接待等のために支出するものを除きます)であって、その支出する金額を飲食等に参加した者の数で割って計算した金額が5000円以下である費用

なお、この規定は次の事項を記載した書類を保存している場合に限り適用されます。
飲食等の年月日
飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名または名称およびその関係
飲食等に参加した者の数
その費用の金額ならびに飲食店等の名称および所在地(店舗がない等の理由で名称または所在地が明らかでないときは、領収書等に記載された支払先の名称、住所等)
その他参考となるべき事項

(3)その他の費用
(a) カレンダー、手帳、扇子、うちわ、手ぬぐいその他のこれらに類する物品を贈与するために通常要する費用 → 広告費になります。
(b) 会議に関連して、茶菓、弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要する費用 → 会議費になります。
(c) 新聞、雑誌等の出版物または放送番組を編集するために行なわれる座談会その他記事の収集のために、または放送のための取材に通常要する費用 → 取材費になります。

このように、 カレンダー、手帳、手ぬぐいなどを贈与するために通常要する費用は、主として広告宣伝的効果を意図して支出されるものであるため交際費等から除かれ、広告宣伝費となります。

また、次のような費用も、不特定多数の者に対する広告宣伝費としての性質をもつため、交際費等には含まれないものとされ、広告宣伝費となります。
(d) 製造業者や卸売業者が、抽選により、一般消費者に対し金品を交付するための費用または一般消費者を旅行、観劇などに招待するための費用
(e) 製造業者や卸売業者が、金品引換券付販売に伴って一般消費者に金品を交付するための費用
(f) 製造業者や販売業者が、一定の商品を購入する一般消費者を旅行、観劇などに招待することをあらかじめ広告宣伝し、その商品を購入した一般消費者を招待するための費用
(g) 小売業者が商品を購入した一般消費者に対し景品を交付するための費用
(h) 一般の工場見学者などに製品の試飲、試食をさせるための費用
(i) 得意先などに対して見本品や試用品を提供するために通常要する費用
(j) 製造業者や卸売業者が、一般消費者に対して自己の製品や商品に関してのモニターやアンケートを依頼した場合に、その謝礼として金品を交付するための費用

ただし、次のような場合には、一般消費者を対象としていることにはなりませんので、これらの者に対し金品を交付するための費用や旅行、観劇などに招待するための費用は交際費等とされます。
(k) 医薬品の製造業者や販売業者が医師や病院を対象とする場合
(l) 化粧品の製造業者や販売業者が美容業者や理容業者を対象とする場合
(m)建築材料の製造業者や販売業者が、大工、左官などの建築業者を対象とする場合
(n) 飼料、肥料などの農業用資材の製造業者や販売業者が農家を対象とする場合
(o) 機械または工具の製造業者や販売業者が鉄工業者を対象とする場合

3.交際費と福利厚生費の区別

交際費と間違えやすい項目に福利厚生費があります。例えば、もっぱら従業員の慰安のために行なわれる運動会、演芸会、旅行などのために通常要する費用については交際費等から除かれ、福利厚生費とされます。

また、社内の行事などに際して支出される金額などで、次のようなものは福利厚生費となります。
(1) 創立記念日、国民の祝日、新社屋の落成式などに際し、従業員におおむね一律に、社内において供与される通常の飲食に要する費用
(2)従業員や元従業員またはその親族などのお祝いや不幸などに際して、一定の基準に従って支給される金品に要する費用(例えば、結婚祝、出産祝、香典、病気見舞いなどがこれに当たります)

4.交際費と寄付金の区分

寄付金とは、金銭、物品その他経済的利益の贈与または無償の供与をいいます。
一般的に寄付金、拠出金、見舞金などと呼ばれるものは寄付金に含まれます。
ただし、これらの名義の支出であっても交際費等、広告宣伝費、福利厚生費などとされるものは寄付金から除かれます。

したがって、金銭や物品などを贈与した場合に、それが寄付金になるのかそれとも交際費等になるのかは、個々の実態をよく検討したうえで判定する必要があります。

ただし、次のような、事業に直接関係のない者に対する金銭贈与は、原則として寄付金になります。
(1)社会事業団体、政治団体に対する拠出金
(2)神社の祭礼等の寄贈金



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