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2007年12月27日更新

<インタビュー>食べられる名刺を開発

落花生に文字を刻印
食べられる名刺を開発


代表取締役 前畑猛剛氏株式会社ありがとう 代表取締役 前畑猛剛
プロフィール
まえはた たけつよ:
大阪に本社を置く大手電機メーカーで営業企画を担当。2000年、50歳を機に退職。経営コンサルタントに転身する。2006年7月、株式会社ありがとうを設立。


落花生に名前を刻印して食べられる名刺を開発。そんなユニーク商品を売っている会社が名古屋にあります。

赤飯業者のコンサルから生まれた技術

――まず前畑社長が開発した食べられる名刺、タベルメの開発の経緯をお聞きしたいのですが?
私は、マネーと経営のコンサルタントをしています。クライアントの売り上げを伸ばし、利益を増やすのが私のやるべきことなのですね。

いまから2年程前、老舗の赤飯製造業者からコンサルタントの依頼がありましてね。赤飯というのは祝い事の席での需要が多いのですが、業界全体の業績が減少している。その業者もそうだったのですが、このままでは経営が立ち行かなくなることは目に見えているのでなんとかならないか。そういう依頼だったわけです。

以来赤飯の増販増収のために何ができるかを、ずっと考えていたのですが、結局赤飯は祝い事にしか生きる場面がない。ではその祝い事をもっと強調する方策はないのか、と突詰めていったら、アズキに「祝い」とかのおめでたい文字を入れればいいのではないかと思いついたわけです。

名刺代わりに落花生へ文字を刻むタベルメ名刺代わりに落花生へ文字を刻むタベルメ




知り合いの機械加工業者に、文字を入れることは可能かと聞いたら「できる」というので具体的に話を進めていきました。要するにレーザーを使って文字を刻印するのですが、パレットにアズキを50個ほど入れてもわずか数秒で刻印できるという技術です。

――クライアントの反応はどうだったのですか?
私は「これはおもしろいアイデアだ」と思ってクライアントの業者に提案したのですが、最初彼らはあまり乗る気ではなかったですね。私のほうが夢中になって、その文字を掘り込む技術の特許をとったりしながら、ついには2006年7月には株式会社ありがとうを設立して、本格的に食材に文字を刻み、販売する事業に取り組むことにしました。

ただ設立当初は、技術とアイデアはあったけれども商品がなかったのですよ(笑)。それでもとが赤飯製造へのコンサルタントからはじまった話なんで、名古屋市内の和菓子店に営業してくるんだといって、150軒あった店を回ったりしていましたね。

――その結果はいかがでしたか?
商品もないのですから、もちろん全滅ですよ(笑)。並行して商品開発にもとりかかったのですが、木の葉に文字を刻印したらどうなるんだ、種に刻印したら生育した時に文字が浮かびあがるんじゃないのかと遊び感覚が先行してしまって、なかなかこれぞというのが開発できない。たださまざまな食材でテストをしているうちに落花生に文字を刻むのがいちばんいいというのが見えてきて。

――なるほど。落花生がいちばんいいというのはどういうことからですか?
まず文字がきれいで見やすい。相応の大きさなのでかなりの文量を刻印できる。1個の落花生の殻にメールアドレスぐらいはらくらく入りますし、2列、3列にすれば30文字くらいは余裕です。それでこの落花生を使ってよりインパクトを与えるためには、名刺代わりにするのがいいなとアイデアが浮かんで、食べられる名刺という意味をこめたタベルメという商品が誕生したのです。

赤米、アズキなどに文字を刻む赤米、アズキなどに文字を刻む





営業するうちに名古屋市内のスナックや飲食店が、店名や電話番号を書いて箸置きに使ってくれることが多くなった。でもいちばんのブレイクになったのは、ドリームゲートへの出場と大手経済紙の掲載だったですね。

メディアへの露出は意識していた

――ドリームゲートの出場をきめたのは?
メディアへの露出についてはつねに念頭にありましたけれど、かといって安易に扱われたくもない。この技術と将来性については自信がありましたから、なにかきっかけがあればメディアを扱ってくれるだろうと考えていました。

それまでも地元の異業種交流会に積極的に参加して、タベルメの知名度を上げようと試みてきたのですが、その効果をさらにあげようとドリームゲートへの出場を決めたのです。

ご存知のとおりにドリームゲートとは、ベンチャー企業の独立・成長を支援する団体ですが、そこの大会にエントリーした。中部大会は優勝し、今年3月に開催された全国大会では準優勝を飾ることができました。

その過程を地元メディアが密着取材してくれたり、また大手経済紙が「タベルメ」をとりあげてくれたりして、それからですね。知名度が上がり、売り上げが伸びはじめたのは。

――どんな違いがありましたか、出場前と出場後では。
現在では首都圏にある大手雑貨店が取り扱ってくれたり、また地元の企業と取引がはじまるなど大きな動きが出てきましたね。

この3月からは本格的にホームページを立ち上げたのですが、このタベルメがおもしろいということで海外のメディアが取り上げてくれましてね。ヨーロッパとかカナダでも紹介されました。そうしたら月に10本以上もメールなどで海外からも引き合いが入るようになって、これには自分も驚いています。

――今後の展望はどうお考えですか?
現在、タベルメ以外に幸福の種シリーズというのは開発・販売しています。赤米に絶対合格と刻印した「絶対合格飯(はん)」とか、感謝の気持ちをこめてありがとうと刻印した「おかげ飯(はん)」など、少々遊び心を強調した商品なのですが、これが受験生など集まる神社などで人気の商品になっています。

今後は全国的に販売ルートを確保するために代理店制度を充実させながら、さらにネット販売に力を入れていきたいと思っています。

それで世の中の穀類や豆類全部に良き言葉、元気になる言葉が刻印されて、それを皆が食している。そんな社会になったらいいですよね。なによりもおもしろいじゃないですか。

【会社概要】
株式会社 ありがとう

代表取締役 前畑 猛剛
設 立 2006年7月4日
資本金 950万円
所在地 愛知県名古屋市千種区内山3-10-19
連絡先 052-745-2333
売上高 未公表
 


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